稲の話ー万物は知恵をそなえる

悠遊字在漢字の由来

稲の話ー万物は知恵をそなえる

 

 

 

 

【冒頭の詩】

黄金(おうごん)の稲穂(いなほ)が、こうべを垂れる

服を脱げば、白に変身

キラキラ透明、白玉のよう

ご飯にお(かゆ)、もってこい

子どもは、お粥で立派に育ち

大人は、ご飯で力がつく

 

【物語】

「お米は、一粒一粒がお百姓さんの汗の結晶」だという。それでよく昔大人には、お米を粗末にしないよう諭されたものだ。だが、飽食の現在。白米をありがたがるものは少ない。お釈迦様の弟子にも、こんな逸話が残っている。

約2500年前、お釈迦様は自分の弟子を連れ各地をめぐっていた。修行のため、一切の財物は持たない。だから、いつも食事は、行く先々で恵んでもらっていた。

ある時、お釈迦様一行は農家で食事をご馳走してもらう。お釈迦様を尊敬する農民らは、精一杯のもてなしをしようと、白米をふるまった。白米は彼らにとって、手元にある一番良い物なのだ。だが、恐らく当時の白米は、パサパサで美味しくなかったのだろう。お釈迦様の弟子らは食べきらずに残してしまった。すると、白米がよそってあったお碗からは、何とある声が聞こえてきた。それは一体……

話の続きは、ぜひ番組で。何はともあれ、白米から声がするというのは驚きだ。実は中国には「万物皆有霊(すべての物は知恵を備える)」という言葉がある。すべての物は、知恵すなわち命を備えているのだ。だから、粗末にすることは許されない。

一方の現代人はどうか?昨今、簡単に捨てられる食料の実に多いこと。例えば、輸入食糧の三割は廃棄されるという。効率重視の流れの中、命の大切さを忘れてしまったのではないだろうか?今一度、この「命」の原点に返ってみたいものだ。

 

【漢字について】

1、甲骨(こうこつ)文字:

四千年近い歴史を持つ漢字の中で、最古のものとして残っているのが甲骨文字。殷の時代、国にとって重要なことがあると、亀の甲羅や牛の骨を焼いて占った。そのひび割れで出た占いの結果は、刻して記録された。この際使われた文字が、ずばり甲骨文字。

2、金文(きんぶん)文字:

甲骨文字の後、つまり殷・周から秦・漢の時代まで使われた文字。青銅器に刻されたり、鋳込まれたりした。ここでの金は、青銅器を指す。当時は、官職に任命されたり、戦功を上げたりすると、それを青銅器に記録したという。

3、小篆(しょうてん)文字:

金文の後に誕生したのが篆書(てんしょ)。これは小篆と大篆に分かれる。秦の始皇帝は、ばらばらだった文字を統一し、標準書体を定めた。これが小篆だ。

4、楷書(かいしょ):

南北朝から隋唐の時代にかけて標準となった書体。漢の時代まで使われた隷書から発展したもの。

 

 
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