飲用シーン拡大狙う「ノンアルビール」、ペットボトルで屋外へ

[東京 7日 ロイター] – ビール大手がノンアルコールビールテイスト飲料の飲用シーン拡大を狙っている。アサヒビールとサントリービールはペットボトル入りのノンアルビールを新たに発売。ビールの代替としての需要から、キャップを閉めて持ち運べることなどから、アウトドアやスポーツ時、オフィスなど幅広いシチュエーションで楽しむことを提案する。

アサヒビールは、ペットボトル入りの「ドライゼロスパーク」を7月3日から8月末までの期間限定で発売する。同社の黒木誠也常務・マーケティング本部長は「新しい商品価値、経験価値を提案することで市場の拡大を図りたい」と述べている。

アサヒの商品は炭酸の強さを従来の缶製品に比べて30%高めた。2017年の清涼飲料市場では、アサヒの「ウィルキンソン」が前年比22%増の1990万ケースを売り上げるなど、無糖炭酸水に注目が集まっており、ノンアルビールもこうした価値を強調していく。

ペットボトル入りのノンアルビールは、サントリーも6月19日から「オールフリー オールタイム」をコンビニ限定で発売する。職場で気兼ねなく飲むことができるように「透明」、「ペットボトル」を採用したという。ボトルには、「ランチに」「会議中に」など、日中の需要を喚起する文言が並ぶ。

ノンアルビール市場は、2017年に1863万ケース(前年比5.3%増)と伸張。2018年も市場の拡大が見込まれている。アサヒの「ドライゼロ」ブランドは、17年に759万ケース(同2.5%増)となり、18年は780万ケースを見込んでいる。一方、サントリーは「オールフリー」ブランドは17年は前年割れしたものの、18年は伸長を計画している。

ノンアルビールが未成年の飲酒につながらないよう、小売店では、従来通り酒類売り場でのみ販売する。

(清水律子)

 
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