日欧EPA調印、「自由貿易前進の意思示す」と安倍首相

[東京 17日 ロイター] – 日本と欧州連合(EU)は17日、首相官邸で経済連携協定(EPA)に署名した。人口6億人、世界の国内総生産(GDP)3割を占める巨大市場が誕生する。安倍晋三首相は会見で「保護主義が広がる中、日本とEUで自由貿易の旗手として世界をリードしたい」と強調。トゥスクEU大統領は、トランプ米大統領を暗に批判した。米国が保護主義に転じる中で、日欧が自由貿易体制を死守する姿勢を示した恰好だ。

安倍首相は、日欧EPAを「国際社会の平和と繁栄をリードする基盤」と評価。「日本のGDPを約5兆円、雇用を29万人創出する」、「欧州の優れたかばんや、ワイン、チーズなどを気軽に楽しめるようになる」とメリットを強調した。

懸念に対しては「政府としてはしっかり向き合い対応していく」と述べ、環太平洋経済連携協定(TPP)の対応策を援用するとの従来方針を繰り返した。

<トゥスク大統領「真のリスクは政治的不確実性や無責任」>

自由貿易には欧州域内にもそれぞれに異論があり、保護主義台頭の温床となっている。企業関係者のEPAへの不安について問われたトゥスク大統領は、「真のリスクを教えよう。政治的不確実性や激しい言葉、予測不可能性や無責任こそがリスクだ。貿易協定がリスクではない」と述べ、トランプ大統領の推し進める過激な保護主義政策を強くけん制した。

安倍首相によると、EU側との会合では、質の高いインフラ輸出でも連携する方針を確認。北朝鮮情勢についても意見交換し「有意義な議論を行ない、拉致問題解決で北朝鮮と直接向き合う決意伝え、理解を得られた」という。

共同声明によると、日本とEUはハイレベル産業・貿易・経済対話を設立し、年内に初会合開催を目指す。

署名式は当初、安倍首相がブリュッセルを訪れ行う予定だったが、西日本豪雨を受け首相が外遊を取りやめたため、欧州側が来日する運びとなった。

(竹本能文)

 
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