【動画ニュース】NYマンハッタンでマリファナ合法化進む 市民に憂慮の声

ニューヨーク・マンハッタン地区のヴァンス検事は、8月1日からマリファナ(大麻)の所持者と使用者を起訴しないと発表しました。この決定により同地区のマリファナ関連の年間起訴件数は約96%減少するとみられますが、多くの市民が反対を表明しています。

同検事は、10袋以上のマリファナを販売した場合と、公共に被害をもたらした場合は起訴すると発表しています。

この政策が初めて発表されたのは今年5月。同検事のオフィスは、有色人種のコミュニティのなかでアフリカ系とヒスパニック系の逮捕率が高く、白人コミュニティでの逮捕率をはるかに上回るという研究結果を挙げ、このような軽い罰則の取り締まりに多くの税金と警察官を投入するのは効率が悪く、違反者も軽微な罪で逮捕されることでその後の人生に影響を被るため、不条理だと説明しています。

マンハッタンの中国会館代表の伍さんは、「無駄な労力を省きたいから不起訴にするというが、本当に安全なのか。政策の施行後、警察は町で起きたことを統計し、3カ月後、6カ月後に政策を調整すべきだ」と主張しています。

この政策により、同地区のマリファナ関連の起訴件数は年間5000件から200件に減るとみられ、同検事は「これからもニューヨーク州の立法機関にマリファナ合法化を訴えていく」と発言しています。

一方、6月末にエマーソンカレッジが行った調査によると、ニューヨーカーの56%がマリファナ合法化を支持していないことが分かりました。また現在、ニューヨーク州の法律では、医療用以外のマリファナは全て非合法であることが改めて確認されたため、マリファナ合法化に対する支持率は27%下がりました。

ある高校教員は「私は教師だ。学生たちがみなマリファナの影響を受けてしまう」と憂慮しています。

ある市民は「コロラド州を見てほしい。ホームレスだらけで強盗事件もある。彼らはちゃんとした生活が送れていない。私たちも同じ問題を抱えている。合法化は問題を増やすだけ」と考えています。

別の市民も「色々な調査で、早くからマリファナを吸っている人はもっと危険なドラッグに手を出してしまうことが分かっている」と心配を隠せません。

中国系市民も基本的にマリファナ合法化に反対しています。

伍さんは「我々は反対です。マリファナは毒ですよ。タバコだって体に悪いのに」と語りました。

6月19日、同市のビル・デブラシオ市長は「9月1日からマリファナを吸った市民には違反切符を切るが逮捕はしない。これで逮捕される人年が年間1万人減る」と発表しましたが、ある市民は「おおっぴらにマリファナを吸ってもいいと思われる」と憂慮を隠せません。

ニュージャージーの検事、ジェームズ・ブレイディ氏は「マリファナは害にしかならない。だから逮捕という選択肢を除外すべきとは思わない」と発言しています。

あるカメラマンは「新聞で読む限り問題ないように思える。だが時間をかけて見極めなければ」と慎重な姿勢です。

果たしてニューヨークは今後、マリファナ合法化への道を歩むのか。人々は憂慮しています。

 
関連記事