【動画ニュース】李鵬元首相死去 三峡ダムの責任は誰が負うのか

中国の李鵬(りほう)元首相が7月22日に病気のため死去しました。李鵬氏は1989年、天安門事件を鎮圧した主導者として国内外から非難されているほか、三峡ダムの建設にも関与しています。完成から10年が経過した現在、三峡ダムは変形が指摘され、さらにはいつ決壊してもおかしくないと言われています。

ロサンゼルス在住の民主活動家、陳維明(ちん・いめい)さんは、李鵬は天安門事件を鎮圧した主導者の一人として、人々は彼を罪人として永遠に唾棄(だき)すると述べます。

ロサンゼルス在住の芸術家 陳維明氏
「(李鵬の死去は)喜ばしい事だ。天安門事件犠牲者にとっても慰めになる。我々は李鵬と鄧小平の二人の罪人を、屠殺者として天安門事件記念碑の前に跪かせるつもりだ。岳飛墓前の秦檜の像のように、民間の方法で唾棄する」

情報によると、李鵬元首相死去の情報はネット上では23日の早い時間から伝わりましたが、新華社は23日午後6時になって、李氏が前日の夜11時すぎに死去したと発表しました。その原因として、香港で続いている「逃亡犯条例」改正案に反対するデモのほかに、最近取りざたされている三峡ダム変形のことが挙げられています。李鵬氏は三峡ダムプロジェクトの推進者の一人として知られています。

ロサンゼルス在住の芸術家 陳維明氏
「李鵬一族は自分たちの利益のために、電力事業を独占しており、金のためなら人民の死活は顧みない。メンツプロジェクトのために、匆々に着工し、専門家の意見に耳を貸さず、中国で最も危険なダムを作った。中国人の頭の上にぶら下がった剣のようで、いつ決壊してもおかしくない」

三峡ダムは建設当初から様々な問題が指摘され、専門家の反対に遭っていました。ダム建設のために行なった強制立ち退きや100万人を超える住民の強制移転、地質破壊、環境汚染など、地域に大きな弊害をもたらしました。陳維明さんは、李鵬氏の死去で、中国共産党当局は三峡ダムの全ての責任を彼に負わせるだろうと述べます。

ロサンゼルス在住の芸術家 陳維明氏
「李鵬は三峡ダムの最後の着工の決定を下した人で、責任逃れできない。彼の死去によって、全ての責任を彼に負わせることができる。共産党はこれで人民に対して犯した罪から逃れようとしている」

 
関連記事