【動画ニュース】台湾政府代表が48年ぶりに国連総会へ 「非常に大きな外交的進展」

台湾との国交樹立国が中国へと次々に鞍替えするなか、台湾ニューヨーク連絡事務所の徐儷文(じょ・れいぶん)所長が米国から招聘され、国連本部での「宗教の自由の保護を呼びかける」会合に出席しました。台湾外交部の代表が国連に足を踏み入れたのは実に48年ぶりとなります。

中国との国交樹立と引き換えに、台湾との国交を断絶する太平洋諸国が相次ぐなか、台湾ニューヨーク連絡事務所の徐儷文所長が9月23日、国連本部の「宗教の自由の保護を世界に呼び掛ける」会合へ招聘され、トランプ大統領の演説に耳を傾けました。

台湾行政院の蘇貞昌(そ・ていしょう)院長は24日、立法院会に出席した際に、台湾の正式な代表が国連に足を踏み入れるのは1971年に台湾が国連の代表権を失って以来48年ぶりのことであり、さらに米国政府から招聘されたことは「非常に大きな外交的進展であり、簡単なことではない」と述べました。

中華民国行政院のコラス・ヨタカ(谷辣斯·尤達卡)報道官
「今回は台湾の公式の代表が、公式の立場において招聘され賓客として参加した。今回の件で台湾と米国の外交関係の発展は当然ながら進展したと我々は考えている」

台湾外交部の呉釗燮(ご・しょうしょう)部長は、米台関係の深化は見てのとおりで、米国から招聘されたのは台湾で宗教の自由が成就されているためとして「喜ぶに値する出来事だ」と述べています。

中華民国行政院のコラス・ヨタカ(谷辣斯·尤達卡)報道官
「今回の件で、台湾と米国が非常に緊密で友好的な関係を有していることが改めて証明されたうえ、米国が台湾を支持していることも証明された」

米国在住の時事評論家、田園(でんえん)氏は、中国共産党は外交や軍事面で台湾を抑圧しているだけでなく、医療問題でも台湾を押さえつけており、これに全力を注いでいると述べています。

米国在住の時事評論家、田園氏
「徐儷文氏が国連会議に招聘されたことは、台湾との外交分野における米国の試みと言える。また前進するための重要な一歩であるとも言える」

田園氏は、米台関係の加熱は、台湾がWHOを始めとする国際組織に復帰する一助となると考えています。

米国在住の時事評論家、田園氏
「機能分野や技術分野において台湾がこうした国際組織に復帰するための条件はすでに整ったと思われる。台湾が米国からの支持を取り付けることができれば、台湾がこうした組織に復帰する可能性が大きく高まるだろう」

これより前、太平洋に位置するソロモン諸島とキリバスが中国からの資金援助を受ける代わりに、それぞれ9月16日と20日に台湾との国交を断絶しました。

米国在住の時事評論家、田園氏
「中国は常にこうした資金援助を第三世界の小国を懐柔する手段にしている。中共は小国を懐柔すると、国連総会で中国を中心とするならず者国家のグループを形成させる。こうした国は資金援助で中国に買収されたらわき目もふらずに中国に従うようになり、中国の代わりに声を上げ、中国の代わりに投票する。そして他国が中国の人権問題を非難するのを許さない」

台湾の蔡英文総統は、総統選まで残すところあと100日あまりとなった今、中国は台湾を抑えるため、抑圧によって台湾人に対し「台湾人は中国にこうべを垂れる総統を選ぶしかないのだ」と伝えようとしていると述べています。

蔡英文総統
「ここで私は中華民国台湾を代表して中国に対し、一国二制度に対する我々の回答は『不可能』の三文字だと断固として述べる」

中華民国行政院のコラス・ヨタカ(Kolas Yotaka)報道官は「台湾は自由民主主義国家であり、人民は選挙権を有している。中共は台湾本土の政権が台湾の現行体制を持続し続けることを恐れているため、台湾との国交樹立国を断交させることを含むさまざまな手段を講じて、来年1月に行われる選挙へ介入しようとしている」と述べています。

中華民国行政院のコラス・ヨタカ(谷辣斯·尤達卡)報道官
「台湾人民の目は澄んでおり、影響など受けないと考えている。我々が世論やインターネット、メディアにおける情報、民間調査などを精査したところ、いずれも中国(共産党)が5日の間に台湾との国交樹立国2国を奪ったことについて、台湾人が立腹していることが示されている」

コラス・ヨタカ報道官は、中共がこうした手段によって台湾の総統選を妨害できると考えているとしたら、それは中共の失策であり判断ミスだと考えています。中共がこの機に乗じて中国の民衆が中国政府に抱く疑問や不満を発散させようとしても、やはり焼け石に水だと強調しています。

蔡英文総統は、中共は台湾総統選の前にあらゆる手段を講じて台湾に対する圧迫や脅迫を継続すると思われ、その手段は増えることはあっても減ることはないだろうと考えています。

蔡総統は、中共のこうした悪質な圧迫によっても台湾人が現行体制の維持をあきらめることはないと述べる一方で、台湾人が現行体制の維持をあきらめてしまったら、後の世代の台湾人が民主主義、自由、主権を享受することはないだろうし、台湾には何も残らないとも述べています。

 
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