【動画ニュース】豊作貧乏に泣く果物農家 果物価格高騰に怒る都市住民「政府の徴税が原因」

中国の果物市場に異変が生じています。豊作に恵まれた農家は果物を投げ売りしても買い手が付かない一方で、都市部の住民は果物の値段の高さに辟易し「手が届かない」との恨み節も聞こえています。

中国の果物農家は今年、さまざまな果物の豊作に恵まれましたが、たわわに実った果実を見る果物農家の表情は冴えません。
せっかくの豊作にも果物の買い手が付かず、腐るに任せるしかないからです。売れたとしても卸売価格は雀の涙です。

河南省鄭州市の果物店経営者、侯さん
「『貧困支援』政策だ。強制的な『貧困支援』によって山林が大規模に開墾されて果樹畑になった。ここ数年でその果樹から収穫が見込めるようになった。すると生産量が増えて果物がだぶつき、売れなくなった。収穫量が増えすぎたからだ」

匿名を条件に取材に応じた中国のある農業研究者は、中国共産党当局はここ数年、いわゆる「貧困支援」を掲げて広大な農地や山での経済作物の作付を推進しており、地方の役人は自分の業績を上げるため、農村地域にリンゴ畑、ブドウ畑、モモ畑を次々と作っていると説明し、この「貧困支援」が正常な生産を妨害し、作物の生産量を増やしたと語っています。

匿名の中国農業研究者
「例えば、本来ならば1ムー(6.667アール)作付けするところ、貧困支援のためさらに畑を耕し、結果として2ムー作付けする。私の業界はキノコ類栽培協会と呼ばれているが、政府は今、この業界に強烈に干渉し、大規模なキノコ産業を興して貧困支援を行っている。全国592か所のいわゆる貧困県に、キノコ栽培を行っているところが400カ所ある。それでキノコも売りさばけなくなっている」

この研究者は、果物を売ることができない大きな原因は、政府が市場に強烈に干渉しているからだと指摘しています。

匿名の中国農業研究者
「広東人には『政策を行わないのが一番よい政策だ』という、まさに言い得て妙な言葉がある。庶民に植えたいものを植えさせて、植えたものに対する責任を持たせるべきだ。問題なのは、いつも彼らにああしろ、こうしろと宣伝していることだ。市場の規律に沿った道を行かせるべきなのに政策による関与が多すぎ。これが中国の問題の本質だ。政府が市場から出ていくのが一番いいのだ」

中国国家統計局が発表したデータによると、2007年にはわずか2734万トンにすぎなかった中国のリンゴ生産量が、10年後の2017年には4139万トンに達し、世界の生産量7423トンの半分以上を占めるようになりました。中国国内のリンゴの年間需要は約3100万トンですが、今年の生産量はそれを上回る4300万トンに達したため、明らかな供給過多が生じています。

リンゴ農家によると、リンゴに高値が付いていた今年上半期、リンゴの卸値は1キロ16元(約246円)でしたが、今シーズンの豊作によって1キロ1元(約15円)まで値下がりしました。

河南省鄭州(ていしゅう)市の果物業者、侯(こう)さんは「このように膨大な生産量を実現できたということは、果物農家はかなりの投資を行ったはずだ。畑の管理、灌漑、剪定、収穫、病気予防に加え、農薬や化学肥料にもお金がかかる。さらに畑を管理するための人件費も増え続けている。今年の状況を見ると、果物農家は破産するしかない」と語っています。

河南省鄭州市の果物店経営者、侯さん
「彼らの作っているようなリンゴには恐らく、2元から4元のコストがかかる。リンゴ1キロ1元という価格で消費者のところまで出荷されると、果物農家は破産だ。銀行へも金を返せないから、多くの貧困家庭は信用情報のブラックリストに名前が載ってしまっている」

しかし、価格の暴落が果物農家を破産に追いやる一方で、都市部のスーパーマーケットでは果物の値段が庶民の手の届かないほど上がっています。

匿名の中国農業研究者
「特に輸送コストが高い。燃料や高速料金のほか、さらに販売場所の使用料も高い。政府は卸売り販売の場所でのみ販売できると規定している。政府から制限されている、限りある販売場所で、形を変えた一種の独占状態が起きている。(よって)我々のキノコは、産地での卸売価格が高くても6~7元(約92円~108円)なのに、スーパーマーケットでは約20元(310円)で売られている」

この中国農業研究者は、果物価格の矛盾は中国政府の各種徴税で生じたものだと語っています。

この研究者は、政府が徴収する税金には燃料税、管理費、高速料金、都市道路の罰金、市場参入費、市場管理費、増値税に加え、企業と個人の所得税などがあることを指摘し、中間業者はリンゴの仕入れ値に自分の利益を計上する以外にもこれらの費用を上乗せしなければならないため、果物が市場に届くまでに価格が何倍にも跳ね上がるのだと説明しています。

 
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