【動画ニュース】クリスマスカードに上海の刑務所からのSOS手紙 外国人受刑者の命がけの訴え

先日、英国の6歳の少女が購入したクリスマスカードから、中国の刑務所に収監されている外国人受刑者が書いた強制労働を訴えるメッセージが発見されました。クリスマスカードを販売した大手スーパーのテスコは、「ショックを受けている」とし、中国工場でのクリスマスカード生産を直ちに打ち切ったと発表しました。外界は、メッセージを書いた収監者の安全について憂慮し、注視するよう呼びかけています。

ロンドンで暮らす6歳の少女が、大手スーパーのテスコで購入したクリスマスカードを開いたところ、うち一枚が使用済みであることに気づきました。

ロンドン在住の6歳の少女 フローレンス・ウィディクームちゃん
「6枚目か8枚目のカードに、誰かがすでに何か書いてあった」

カードには、「私たちは中国青浦(せいほ)刑務所に収容されている外国人受刑者で、私たちの意思に反して労働を強いられています。どうか私たちを助けてください。人権団体に知らせてください。そしてピーター・ハンフリー氏に連絡してください。メリークリスマス」と書かれていました。

在米時事評論家 刑天行氏
「中共の刑務所は厳しい監視システムが敷かれている。強制労働の過程では各工程で検査が実施される。なのでクリスマスカードにsosメッセージを入れ、外部に伝えるのは非常に困難である。手紙を書いた人は命の危険を犯して訴えている」

少女の父親がインターネット上でハンフリー氏の名前を検索したところ、かつてジャーナリストとして働き、上海青浦刑務所に9か月収容されていた人物であることが分かり、連絡を取りました。

英国の元ジャーナリスト ピーター・ハンフリー氏
「私は2013年から2015年の間、上海で2年間収容されていたが、最後の9か月はこの刑務所にいた。情報が伝え出されたあの刑務所だ。このメッセージはまだ服役中の獄中の友人が書いたものだ」

12月22日、英国の新聞「サンデー・タイムス」がこのことを報じました。チャリティーカードを製造する国で、このような残酷なことが行われていることに人々は衝撃を受けました。ハンフリー氏は、西側の製造業者は中国からの仕入れをやめるべきだと考えています。

在米時事評論家 刑天行氏
「想像できるが、中共は上から下まで厳しくこのことを封鎖し、それから誰がこのメッセージを書いたのかを調べるだろう。このことに関連している収監者たちがどうなるか、憂慮している」

時事評論家の唐靖遠(とう・せいえん)さんは、いわゆる「世界の工場」は、実のところ中共が国民を搾取して手に入れた成果にすぎないと指摘します。中国の輸出製品は低価格が売りですが、その裏では大規模な人権侵害が行われているからです。

時事評論家 唐靖遠さん
「ファーウェイの悪名高き996制度(朝9時から夜9時まで週6日労働)にしろ、新疆の綿花生産の収容所にしろ、今回のクリスマスカードの件にしろ、たとえ小さなカードであっても、共通点はその背後に強制労働による抑圧と搾取が潜んでいることだ。これらの実例から、中国共産党のいわゆる経済の台頭は実際は無数の人権侵害を引き換えに得たものであることが分かる」

今回のことを受け、英国最大手スーパーマーケットのテスコは、中国工場でのクリスマスカード生産を直ちに打ち切り、調査を開始すると発表しました。

時事評論家 唐靖遠さん
「国際社会のこの種の口先だけの批判を、中共は全く気にしない。このようなことが何回暴露されようと、中共は何も変えようとしない。この体制が存在する限り、中共は民衆に対する圧迫と搾取、強制労働を止めないだろうし、これからも続くだろう」

2012年、アメリカの主婦ジュリー・キースさんが購入したハロウィンの飾りから、助けを求める手紙が発見されました。飾りは中国瀋陽にある馬三家労働収容所で作られたもので、中に隠された手紙によって、中国の刑務所や収容所における強制労働問題が再度、西側で注目されるようになりました。中国では多くの人が正当な裁判を経由せずに刑務所や収容所に送られていますが、なかでも法輪功学習者は他の受刑者よりもさらにひどい虐待を受けています。

唐靖遠(とう・せいえん)さんは、「国際社会が力を合わせて中共の犯罪行為を止めることができなければ、現在中国人が受けている人権侵害が、近い将来国際社会の人々にも降りかかるだろう。中共はすでに中国における管理監督モデルを外国に輸出している。これは決して単なる中国の内政問題ではなく、世界各国が直視しなければならない「正義」と「悪」の選択の問題である」と指摘しています。

 
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