ネットで購入した4千枚のマスク 武漢への救援物資だった?

湖北省武漢市は新型肺炎の最も酷い被災地区ですが、マスクなどの防護用品が非常に不足しています。先日、広西チワン族自治区のあるネットユーザーがネットでマスクを購入したところ、「救援物資」と書かれたものが武漢から送られてきました。

中国国内のメディアによると、広西チワン族自治区南寧市のあるネットユーザーが、友人とウィーチャットビジネス(微商、WeChat Business)で使い捨てマスク4千枚を共同購入したところ、発送地が「武漢市総工会漢南労働者文化会館」となっており、箱の上には「救援物資」の文字が書かれていたため、横流しして転売されたのではないかと微博(ウェイボー、Weibo)に投稿しました。

中国のネットユーザー 譚さん
「おそらく救援物資の一部を横流しし、転売したのだろう。病気の感染状況を利用して、金儲けしている。救援物資の外側の包装すら取らないまま転売している。国難に乗じて金儲けをするのは権力者たちだ。私の知っている薬局では、政府の者が金も払わずに、徴用と言って持って行く。証明書もない。汚職官僚はしたい放題だ。たとえ全世界のマスクを中国に送ったとしても、あなたの手には届かない」

中国各地からは絶え間なく武漢に支援物資が送られていますが、武漢の医療従事者や市民は依然として防護用品不足に悩んでいます。武漢のボランティア何(か)さんは、支援物資はなるべく政府部門に送らないようにと促しています。

武漢のボランティア 何さん
「防護用品は横流しされる可能性がある。今はめちゃくちゃで、彼らはその中から持っていく。本当に必要なのは、病院や地域の住民の所だ。支援物資を送る際には新型肺炎とは無関係な物資と書く、あるいは直接武漢に運んでくるといい」

中国のネットユーザー譚さんは、中国各地でマスクが買えないのは政府の規制が原因だと述べます。都市を封鎖し、道路を封鎖すると、各種物資が足りなくなるのは当然の結果で、政府の宣伝を信じた人は事前の準備を何もしていないため、痛い目に合っていると考えています。

中国のネットユーザー 譚さん
「薬局が販売しない理由は2つある。薬局は売るとしたら普段より高く売るので、誰かが通報すると、政府は物価を吊り上げる。もう一つは全てのマスクのメーカーが政府の管理下に置かれた。物価は上がってるのに、政府は価格を抑制している。利潤がないのでメーカーは生産しなくなる。結果マスクはなくなる。政府は価格を抑制すればするほど、人々は買えなくなる」

各地ではマスクが買えない市民がマスクなしで外出したため、警察の暴力を受けたり、市中引き回しにされたり、柱に縛り付けられたり、強制隔離されたりする動画が数多く投稿されています。

 
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