企業秘密を盗んだ天津大学の教授 スパイ容疑などで有罪に

米国司法省は6月26日、41歳の中国人で天津大学教授の張浩氏を経済スパイ、企業秘密窃取の罪と共謀罪で有罪にしたと発表しました。それぞれ最高10年または15年以下の禁固刑に加え、罰金と賠償が科せられます。張浩氏は現在50万ドルの保釈金で保釈されており、8月31日にサンノゼで判決傍聴会が開かれる予定です。

司法省の声明によると、2010年から2015年にかけて、張浩氏は他の人と共謀してアバゴ・テクノロジーとスカイワークスの2社の企業秘密を盗んでいます。この2社は、半導体の設計・加工に特化した会社です。

張氏はまた、薄膜バルク音響共振器(Film Bulk Acoustic Resonators–FBAR)やワイヤレス機器の性能に関連する企業秘密を盗み出し、それを仲間と共有し、ケイマン諸島でノバナ社を設立しました。

声明によると、張氏は盗んだ企業秘密を使って、自分の名前で複数の特許を出願し、天津大学の自身の研究室でこれらの機密を処理していたといいます。

張浩氏は、南カリフォルニア大学で博士号を取得し、帰国後は天津大学で教授を務めていました。2015年5月16日、ロサンゼルスから米国に入国しようとした際に、警察に逮捕されました。

司法省で国家安全保障を担当するジョン・デマーズ(John Demers)司法次官補は「被告は天津大学と共謀して、自身の雇用主を含む米国企業2社の企業秘密を中共政府の利益のために中国に持ち込んだ。この事件が警告となることを願っている」と述べています。

 
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