内モンゴルで再度ペスト発生 年末までレベル3の警報発動

中国の内モンゴルで、またもやペストによる死者が出ています。地元の保健当局によると、包頭市ダルハン・ムミンガン連合旗では1人が死亡、35人が隔離されており、レベル3のペスト警報が発令されました。7日にバヤンノール市でも1人が死亡し、ここ5日間でペストによる死者は2人となっています。

内モンゴル自治区包頭市衛生健康委員会は8月6日、包頭市(ボグトし)ダルハン・ムミンガン連合旗石宝鎮で8月2日に腸ペストを患っていた患者が死亡したと発表し、現在、35人の濃厚接触者が隔離されています。また、地元では6日にレベル3のペスト感染警報が発令され、年末まで続くことになっています。

新唐人は、ダルハン・ムミンガン連合旗衛生健康委員会に問い合わせてみました。職員は、医療専門家チームが死亡者はペストに感染した後、循環器不全で死亡したと判断し、現在、全ての村で隔離措置と検査が行われていると述べました。

内モンゴルダルハン・ムミンガン連合旗衛生健康委員会職員
「隔離しているから感染するという意味ではない。誤食をしている人はいないか、あるいはネズミの何かが付いている物を食べていないかなどを監視する必要があるからだ。今のところ、発熱者はいなく、核酸検査も全部正常だ。この時期に、こちらにはあまり来ないほうがいい。事情がよく分からず、防護が不十分になるからだ」

ダルハン・ムミンガン連合旗で店を営んでいる胡さんは、地元のペストの流行状況は深刻で、村は隔離され、村人は自由に外出できないと述べています。

また、包頭市の西に位置するバヤンノール市でも、遊牧民がペストに感染したために隔離され、治療を受けています。中国赤十字基金の重病救済プログラムの元幹部、任瑞紅氏は、ラジオ・フリー・アジアに、最近発見されたのは腺ペストであり、制御不能に陥った場合には想像を絶する結果を招くと語りました。任氏は、腺ペストは肺ペストに発展する可能性があり、武漢肺炎と同じように人から人へと広がり、死亡率が非常に高くコントロールが難しいので、非常に恐ろしいと述べています。

内モンゴルでは昨年にもペストが発生しています。中共衛生健康委員会が発表したデータによると、昨年はペストの感染例が5件報告され、1人が死亡しました。しかし、公式データの信憑性が疑問視されています。

ボイス・オブ・アメリカは昨年11月、内モンゴル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区、遼寧省、吉林省で300 以上の村が封鎖され、ペストの感染を防ぐために村民は外出が禁止され、さらには、村の通信も遮断され、武装警察が進駐していたと報じました。

「黒死病」とも呼ばれるペストは、「ペスト菌」という細菌が原因で引き起こされる病気です。発病すると悪寒や高熱、頭痛や息切れなどを発症し、治療が間に合わないと死亡率が100%に近い状態になります。14世紀には、黒死病がヨーロッパを席巻し、ヨーロッパの当時の人口の3分の1、合計5000万人以上が死亡しました。

 
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