2度目のトランプ前大統領弾劾裁判も無罪判決

2度目となるトランプ前大統領の弾劾裁判が2月13日、5日目に入りました。弾劾裁判を起こした民主党が突然、証人の招致を求めましたが、最終的には両党が合意に達し、その提案は取り消されるという場面も見られました。今回の弾劾裁判もトランプ前大統領に無罪判決が下されました。

弾劾裁判は2月13日、起訴側と弁護側の双方による最終弁論に入りました。しかし弾劾管理人を務める民主党のジェイミー・ラスキン下院議員は突然、証人の招致を要求しました。証人招致は法的手順に違反していますが、上院では55対45で可決され、その中の5人は共和党議員でした。一方、リンゼー・グラム議員は最終的には反対から賛成にまわりました。

共和党のテッド・クルーズ上院議員は、今回の弾劾裁判は法的手順に違反しただけでなく、弾劾側の証人だけが招致されたら非常に不公平な裁判になると述べ、証人招致のために双方が無駄な時間を費やしたら、米国のその他の政策が放置されてしまうと指摘しました。

共和党のテッド・クルーズ上院議員
「左翼の下院弾劾管理人は熱くなって証人喚問の実施要求を決定し、チャック・シューマーと民主党議員をも驚かせた。もし証人を招致するなら、一方の証人だけというわけにはいかない。弾劾管理人には招致を許すが、トランプ大統領側には招致させないというのは不可能だ」

その前日の冒頭陳述で、トランプ弁護団のパフォーマンスは相手を完全に退けたとして共和党議員から評価されました。また弾劾管理人のジェイミー・ラスキン(JAMIE RASKIN)議員が以前に提起した、憲法修正第1条はトランプ大統領には適用されないとの意見は、彼がハーバード大学在学中に師事した法学教授から批判されたほか、著名な法律研究者のアラン・ダーショウィッツ(Alan Dershowitz )氏からも公に批判されました。

両党は協議を経て、最終的には証人招致を却下しました。

トランプ前大統領の弁護士は最終弁論の中で、今回の弾劾裁判の不当性とその政治利用を改めて指摘し、トランプ大統領は常に平和的なアピールを支持しており、今回のようなダブルスタンダードや不公平な扱いは受けるべきでないと述べました。

この日、ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell)上院議員、テッド・クルーズ上院議員を含む多くの共和党の重鎮がトランプ大統領は無罪であると投票しました。しかし無罪に投票すると思われていた議員のうち、ミット・ロムニー(Mitt Romney)議員を含む7人が有罪投票に回りました。最終的には57人の上院議員が有罪票を投じたものの、67票に達しなかったためトランプ前大統領に無罪の評定が下されました。

 
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