中国選手が表彰式で毛沢東バッジ着用 IOCが調査

東京五輪の自転車競技で優勝した2人の中国選手が毛沢東の横顔をかたどったピンバッジを着用して表彰式に登場しました。

毛沢東は中国共産党の元最高指導者です。毛沢東が主導した政治運動や政策により、中国では大規模な飢饉が引き起こされ、数千万人に及ぶ犠牲者を出しました。

国際オリンピック委員会(IOC)は8月3日、この問題について中国オリンピック委員会に対し、バッジ着用の行為について報告を求めました。

自転車トラック女子チームスプリントで金メダルを獲得した鮑珊菊(ほう・さんきく)選手と鍾天使(しょう・てんし)選手は2日、メダル授与式の際に毛沢東バッジを着用しました。この行為は「五輪の用地、競技会場、またはその他の区域では、いかなる種類のデモンストレーションや政治的・宗教的・人種的な宣伝活動を容認しない」と規定する五輪憲章第50条に違反している可能性があります。

国際オリンピック委員会 マーク・アダムス広報部長
「中国選手の問題については、中国五輪委員会に連絡を取り、今回のことについての報告を要請した。現在、調査中だ。

同問題は昨日起こったことです。我々は類似事例と同様に追及していく」

IOCは先月抗議規制を緩和し、競技者に敬意を払い、混乱を引き起こさないことを条件として、選手による人種差別への抗議を示す片膝をつくなどの抗議活動を容認しました。しかし、表彰台での政治的な表現行為は禁止されています。

 
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