デンマークの一流大学 中共軍との共同研究に関与

米国では、中共軍が西側諸国の大学を通じて、新しいテクノロジーを入手することへの懸念が高まっていますが、欧州のある一流大学は自身がその実例であることに気づきました。

デンマークのコペンハーゲン大学では、同校の教授が中共軍の将官と共同研究を行っていたことが判明しました。この二人は高地における中共軍兵士の戦闘能力を向上させる薬を研究していました。

具体的には、この薬は脳の損傷を防ぐことを目的としています。これは中共軍兵士がチベットのような高地で直面している問題です。チベットでの中共軍兵士の戦闘能力に支障をきたすため、解決策を見出すことが中共軍の焦眉の急となっています。

中共政権はチベット地域に神経を尖らせています。チベットは中共政権が領有権を主張している複数の国と国境を接しています。そして中共軍はインドとの国境紛争後、チベットでの訓練を強化しています。

張国捷という名の中国人教授は、中共軍の将官との共同研究のことを大学に伝えていませんでした。大学側がそれを知ったのは、二人が研究論文を発表した後のことです。

大学側は、論文の共同執筆者の報告を義務づけていません。その上、共同執筆者は二人だけではありません。コペンハーゲン大学の密接なパートナーであるBGI(華大基因)の創業者たちも、共同研究に参画していました。

BGIは世界最大のゲノミクス企業で、今年の初めには、世界中の何百万人もの妊婦からデータを採取し、中共軍と共有していたとの告発を受け、非難を浴びました。

コペンハーゲン大学とBGIの関係には、根深いものがあります。一例をあげると、この大学には欧州で最も歴史の長い遺伝学研究所の一つがありますが、BGIの最大の国際的パートナーの一つでもあります。

そして、BGIの創業者の一人やスタッフの一部は、同校の卒業生でもあります。また、BGIの欧州本部も、コペンハーゲン大学のキャンパス内に設置されています。さらにBGIは、張国捷氏を含む同大学の二十数人の研究者に資金を提供しています。

一方、中国国内では、BGIは中共軍の将官たちと共同で他の遺伝子関連研究を行っています。

今回の事件は、デンマークの情報機関が「デンマークの大学が、知らずに外国の軍事研究に関与している可能性がある」と警告した後に起きたものです。

同機関は報告書の中で例を挙げ、この脅威は現実のものであり、デンマークはその高い研究水準ゆえに魅力的なターゲットであるとも述べています。

デンマーク高等教育省は、研究者の国際協力が孕むリスクの見直しに着手しています。

〈字幕版〉

 
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