「JPモルガンが中国共産党よりも長く存続」CEOが冗談も翌日反省の弁

冗談は通じなかったようです。中国共産党は、危機と緊張の中で、いつまで持ちこたえるのでしょうか。

米銀行最大手JPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモン氏は、「中国共産党は長続きしないだろう」と冗談を飛ばしました。

JPモルガンCEO ジェイミー・ダイモン氏
「先日香港で次のような冗談を言った。『中国共産党が100周年を祝っていたが、JPモルガンも同じだ。私は、同行の方が長く存続することに賭ける。中国ではそんなことは言えない。いずれにしても、彼らは聞き耳を立てているだろうが』」

ダイモン氏によるこの発言は、11月23日に行われた、ボストンカレッジでのJPモルガンの中国事業に関する公開討論会で述べられたものです。

JPモルガンは、中国共産党が結党した1921年から同国で事業を展開しており、 今年は、中国共産党の創立とJPモルガンの中国事業がともに100周年を迎える記念日に当たります。

中共は、ダイモン氏の冗談をどう受け止めているのでしょうか?

24日、中共外交部の趙立堅・報道官は、ダイモン氏の発言を非難し、「このような発言をする必要があったのか」と不満を示しました。

その後、ダイモン氏は自身の発言を撤回しました。ダイモン氏は24日、声明で自身の発言について後悔していると表明しました。

ダイモン氏は過去に中国をどう見てきたのでしょうか?同氏はかつて、「JPモルガン・チェースにとって中国は世界で最も大きな機会の一つだ」との認識を示してきました。

JPモルガンの中国事業は約2兆3100億円規模になり、これは同行の約3兆円から8兆円規模のバランスシート(貸借対照表)の中では、ごく一部にしか過ぎません。しかし、同行は近年、中国での事業拡大計画を進めています。今年8月、JPモルガンは外資系金融機関としては初めて、中国証券監督管理委員会に証券合弁会社の完全子会社化が認可されました。以前には、外資系による100%出資の独資経営は認められず、現地企業との提携が必要でした。

JPモルガンは、2006年から中共政府高官の親族を縁故採用する「息子と娘」プログラムを通じて、中共と密接な関係を構築していることで知られています。

2006年から2013年までに、JPモルガンは特別な経歴を持つインターン生や正社員を約100人採用しました。そのほとんどが中共高官の子女でした。

採用者の多くは銀行員として働く基準を満たしていなかったが、JPモルガンにとっては中国での関係を築き、有利なビジネスを獲得するための重要な役割を担っていました。

米司法省は、同プログラムを「汚職、単純なもの」と表現し、「政府関係者に腐敗をもたらしかねない」と厳しい非難を表明していました。JPモルガンは、2016年海外腐敗行為防止法(FCPA)に違反したとして、2億6400万ドル(約290億円)の制裁金を命じられました。

 
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