フィギュア女子代表の朱易選手に非難の嵐 中共は火消しに躍起【禁聞】

女子フィギュアスケート中国代表として試合に出場した米国生まれの朱易選手は、今回の北京冬季五輪の演技で転倒したことで、中国のSNSで強烈に非難されています。関連のトピックは数時間の間に2億回も閲覧されたため、中共当局は関連情報の削除に躍起になっています。

中共当局は以前から、メダルの数は国力のバロメーターだとみなしているため、中国人選手は大規模な国際大会に出場する際、上位入賞というプレッシャーに常にさらされており、多くの選手が思うような成績を上げられなかったことで非難の対象となっています。

米カリフォルニア州生まれで、今回の北京冬季五輪に女子フィギュアスケート中国代表として出場している朱易(ビバリー・ジュウ、Beverly Zhu)選手は、最初の演技で2度ミスして転倒し、フィギュアスケート団体戦の決勝進出を逃しそうになったことが、ネットユーザーの怒りを買いました。

米国在住の時事評論家 邢天行氏
「中国では、よい結果を残せなかった多くのアスリートが批判や罵詈雑言を浴びている。これは極めて異常なことです。世界各国と比較しても、こうした状況は中国だけが突出している。なぜ中国でこのようなことが起きるのか。それは中共がスポーツと政治を結び付けており、長期的なこの宣伝が直接関係していると私は考えている。つまり中共は、よい成績を残した選手が愛国的だと考えているだ」

キーワード「朱易が転倒した」はウェイボーの検索キーワード上位に入っただけでなく、中国人ネットユーザーの間から「なぜこのような選手が中国代表に選ばれたのか?」といった疑問が生まれるきっかけにもなりました。米国生まれの朱易選手が中国語を流暢に話せないことも非難され、「まず中国語が話せるようになってから愛国を口にしろ」との辛らつな言葉も浴びせられています。

大紀元コラムニスト 王赫氏
「中国の世論環境はずっと異常だ。それは中共の厳格な言論統制と意識的な偏重誘導のせいであり、さらには多くのネット水軍の水面下の画策のせいだ。だから真実の民意が何なのかは、インターネットの表面的なことだけ見ていては判断が難しいだろう。そして、朱易選手の演技に対する人々の(ひどい)態度だが、彼女が中傷される理由は、彼女が失敗したからではないと思う。理由の大部分は、なぜこの朱易(選手)が中国代表に選ばれたのかということだと考えている」

2018年にフィギュアスケート中国代表を決定する際に、朱易選手は米国籍を捨て、自身の名前をビバリー・ジュウから中国名「朱易」に改めました。そのため、朱易選手が他のライバルを抑えて中国代表の座を獲得できたのは、米国から中国に帰化したことが評価されたのと、もう一つは科学者である彼女の父親のコネがあったからではないかといぶかしむ声があります。

米国在住の時事評論家 邢天行氏
「朱易は試合中にミスしただけで集中攻撃を受け、罵詈雑言を浴びせられ、あらゆることばで中傷された。それは彼女が外国から帰化したからだ。だからこのような中傷誹謗の中に満ちている彼女に対する疑いは、中共の政治体制における、政治に対する疑いなのだ」

大紀元コラムニスト 王赫氏
「朱易の父親はIT専門家だ。そしてこのIT専門家を中共が見つけて連れ戻し、今彼は北京大学で重要な科学研究機関を任されている。ということは、彼女の父親の帰国が先で、彼女の帰国はその次だったのだ。彼女は大した成績は上げていなかった。それは中国代表としてオリンピックに参加できるレベルだろうか。だから世論の多くは、彼女の出場にはどんな裏事情があったのか、この親子は特権階級ではないのかと疑問を抱いているのだ」

大紀元コラムニスト王赫(おうかく)氏は、中国のスポーツ界には暗黙のルールや裏事情が多く、多くのアスリートや事情通はそのことに強い反感を抱いていると指摘しています。

大紀元コラムニスト 王赫氏
「この種の声がひとたび上がったら、それはものすごい速さで広まっていく。なぜならみんな、この社会の醜さにほとほと嫌気がさしているからだ。そしてこの種の話は敏感で刺激的で、大衆の注目を非常に浴びやすい。だからこのような声が瞬く間に広まるのだ。このような場合、中共は民意をコントロールするため、急いで投稿を削除し、声を消し、それを無理やり抑え込もうとする。彼らの反応がどんどん大きくなっていったら、人々の非難の矛先は間違いなく中共に向かうからだ」

インターネットでの非難の声が止まないため、中共当局は「朱易が転倒した」「朱易が失敗した」「朱易が転んだ」といったキーワードをNGワードに指定し始めました。

米国在住の時事評論家 邢天行氏
「朱易は帰化したことによって、自分は愛国心に満ちた帰国者だと表現した。彼女の父親も含めて、一人の成功者であるべき人が、このような言葉の暴力にさらされるのは、中共のメンツを考えると非常に体裁が悪い。また中共が詐欺的なやり方で、国外から各分野の人材を引き入れようとしていることについても、非常にマイナスになる」

中共当局が近年、海外で生まれた外国籍のアスリートを少なくとも10か国以上から「帰化」させて、今回の冬季五輪で中国のメダル獲得数を増やし、優秀な成績を残そうとしているとの報道もあります。

 
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