米国籍を選んだ女子フィギュアアリサ・リュウ選手に集まる期待

米国生まれの女子フリースタイルスキー谷愛凌(こく・あいりょう)選手やフィギュアスケートの朱易選手は、中国の代表としてオリンピックに出場する道を選びましたが、同じく米国生まれのアリサ・リュウ(劉美賢)選手は米国代表として出場しました。今年16歳のアリサ・リュウ選手は北京冬季五輪に参加した米国人選手の中では最年少で、13歳のときに全米最年少でフィギュアスケーター王者に輝き、今回のオリンピックではメダル獲得最有力選手とみなされています。

わずか16歳の中国系女子フィギュア代表のアリサ・リュウ選手は、北京五輪に参加した米国人選手の最年少です。リュウ選手は過去に2度、米国の全国大会で優勝を飾りましたが、北京冬季五輪まで1か月を切ったころに中共ウイルスの感染が確認されたため、隔離先のホテルで米国代表に選出されるかどうかの知らせを待つしかありませんでした。

北京冬季五輪女子フィギュアスケート米国代表のアリサ・リュウ選手
「本当に緊張していましたが、代表選手に選ばれたとの知らせを受け、嬉しくて泣いてしまいました」

リュウ選手は米国人選手の中では、非常に難易度の高い4回転ジャンプを公式試合で成功させた初めての女子選手であり、同じ大会の同じプログラムの中で4回転ジャンプと3回転半ジャンプを跳んだ女子選手は彼女が世界で初めてです。リュウ選手は5歳のときにフィギュアスケートを始め、13歳のときには全米最年少選手として優勝を果たしました。このときにリュウ選手は金メダルを父親に捧げました。

アリサ・リュウ選手(2019年2月1日)
「私よりも父の方が金メダルにふさわしい。父は本当にたくさんのことをしてくれました。毎朝早起きして車で私をいろいろなところに連れて行ってくれました」

アリサ・リュウ選手の父の劉俊氏(2019年2月1日)
「オリンピックの金メダルを手にすることが、私たちの4年間の目標だ」

リュウ選手の父親の劉俊氏は弁護士で、1989年に中国で起きた民主化を求める学生運動では、広州の学生自主連合代表を務め、その年の終わりに米国に移住しました。

リュウ選手と、中国に帰化して女子フィギュア中国代表となった谷愛凌選手はともにカリフォルニア州生まれで、同じ北カリフォルニア華人文化スポーツ協会で活動していました。

これについて中国メディアは、中国への帰化を拒んだリュウ選手は第二の谷愛凌にはなれないうえ、リュウ選手の父親は価値観に問題があると批判しています。

若干16歳のリュウ選手は米国人の金メダル獲得最有力選手と目されるなか、北京冬季五輪で金メダルを獲得できるでしょうか。世界から注目が集まっています。

 
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