仏下院で中国の臓器移植について討論「フランスが中国の移植外科医を養成」

2022年2月、フランス下院議会での討論を前にして、中国での潤沢な臓器収奪ビジネスでの透明性の欠如に数名の議員が疑問を投げかけている。

独立した報告書によると、中国共産党政権は約30年にわたり、合意なく政治犯から臓器を収奪してきた。犠牲者はキリスト教徒、ウイグル人法輪功学習者だ。

法案で引用されている報告では、中国での移植手術件数は年間6万から10万件と推定されている。

臓器の売却先のほとんどは富裕な中国人だが、中国へ渡航移植する外国人も購入している。

臓器収奪は2012年のEU決議で糾弾された。中国で無実の囚人をすぐに釈放するよう求めた。しかし、中国政権は臓器収奪を停止することはなかった。

フランスの外科医と病院が中国の外科医に協力した問題も残っている。サルペトリエール病院の研究技術開発主任、アレクシス・ジェニン氏は、2018年の上院での公聴会でフランスと中国の外科医の間の直接的な協力体制について証言した。

仏サルペトリエール病院の研究技術開発主任 アレクシス・ジェニン氏
「フランスの臓器移植制度は素晴らしい。優れた機能を果たしているしかし、我々の最高の外科医は過去20年にわたり中国の外科医を養成してきた。彼らの移植は我々から学んだものだ」

法案は仏病院のプログラムが中国の移植制度を援助してきたという証拠に裏付けられている。

2019年、フランスのトップの病院長や国立外科学院の学長を含むフランスの代表団が上海で仏中病院を正式に開設した。

毎年、武漢アジア心臓病医院の10名の循環器専門医が、1人約9万ユーロでボルドー大学病院の研修を受けている。フランスの大学・製薬会社・病院・外科医の協力が関与している。

調査ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏は、ウイグル人や無実の囚人として捕らえられていた人々に面接し、国会で証拠を提出した。製薬会社の役割にも言及している。

調査ジャーナリスト イーサン・ガットマン氏
「フランス企業が中国での臓器収奪に直結する製品を売り込もうとしている問題がある。フランスの製薬会社の1社は、確かに免疫抑制剤を売っている。法輪功やウイグル人の臓器を移植された中国人にだ」

ガットマン氏によると免疫抑制剤は、臓器を移植された人々の健康維持のためで、製薬会社が中国での臓器収奪の迅速な発展に大きな役割を果たしてきた。1990年代から始まっている。

国会に提出された法案が通過すれば、フランスの病院や企業は移植のための臓器が倫理的に摘出されている証拠を示す必要が出てくる。

 
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