旅客機墜落現場で遺体発見

遺族は感染症対策を理由に現地で集中隔離

中国東方航空の旅客機墜落事故が引き続き注目されています。事故発生から2日後、当局はブラックボックス二つのうち一つを発見したと発表しました。また、現場では遺体の一部が発見されたと発表しましたが、詳しいことは明らかにされていません。

3月22日夜、東方航空墜落事故から24時間後に中共当局は記者会見を開き、事故現場の探索は今も続いているが、現時点で生存者は発見されていないと発表しました。

中国民間航空局航空安全弁公室の朱濤主任は記者会見で、機体の損傷が激しく調査が困難を極めており、事故現場はすでに封鎖管理が行われているが、現時点で事故原因は確定できないと発表しました。

官製メディアの中央電視台はこれより前に、レスキュー隊員が現地で遺体の一部を発見したと報じましたが、その後関連報道の多くは削除されました。

これと同時に、3月22日、MU5735便の搭乗者の家族の一部が広州白雲空港に到着し、新たな情報が入るのを待っていました。しかし、家族らは感染症対策を理由に、一般の人たちの目の届かない封鎖地域に隔離されました。彼らは空港内の一か所に集められ、周囲には障害物が設置され、防護服で全身を包んだスタッフに警備されています。

墜落地点付近には警察の検査ステーションが設置され、車両の行き来が管理されているほか、医療関係車両と特種用途車両が現場を出入りする様子が見られました。

3月21日、中国東方航空のボーイング737-800旅客機MU5735便が昆明から広州に向けて飛行中に広西チワン族自治区上空で墜落し、乗員132人の安否が依然として不明です。

今回の事故原因については、さまざまな憶測が入り乱れています。

業界の専門家と体制内部の人物は映像から、墜落したMU5735便は機首を真下に向けた状態で地面に高速で衝突したと分析しています。これは航空史上非常にまれな事故で、機体が空中にある間に胴体と翼が壊れて分解した可能性も、人為的な原因も否定できません。

航空機の操縦に詳しく、中国海軍司令部に所属していた姚誠氏は、東方航空の墜落過程には疑わしい点があると指摘しています。同氏は、米国製の航空機は衝突防止システムを装備しており、緊急時には機首が自動的に上を向いて機体が上昇するようになっているため、ソフトウェアに問題が生じたと仮定しても、機首が下を向いて地面に衝突することはあり得ないと述べています。現時点でMU5735便と地上管制塔との通話記録は公開されていませんが、機械の故障が原因だった場合、当局は今後ブラックボックスの飛行記録を公開するはずです。よって、墜落前に行われた操縦士と管制官の会話が公開されなければ、墜落事故の原因は別にあると考えられます。

しかし関係者は、14時20分に管制官が機体の高度が急速に下がっていることに気づいて乗組員に何度も呼びかけましたが、何の応答もなく、14時23分にレーダーからMU5735便の姿が消えたと報告しています。

さらにある元航空機操縦士は、今回の事故原因は、機体のセンサーが故障したことによって生じた「死の急降下」の可能性があると指摘しています。

また、民間航空業界の内部情報によると、中共ウイルスの感染拡大以降、中国の民間航空の安全面が継続的に悪化しており、航空機の補修や従業員のメンタルヘルスのいずれも赤信号が点灯し続けています。

民間航空会社の従業員がインターネットに投稿した情報からもわかるように、中共ウイルスの大流行は中国の民間航空業界にも大きな打撃を与えています。この2年間、大部分の操縦士の収入が40%近く落ち込んでおり、客室乗務員の収入はさらに減っています。

民間航空業界が圧迫されて収入が激減し、各種ローンによって経済的問題が生じた操縦士もいることから業界全体が不安定となり、安全面でも懸念が広がっています。

中共の体制内部の匿名の人物はラジオ・フリー・アジアに対し、2年前から政府は民間航空業界の損失を補填しなくなったと明かしています。この人物が最も懸念しているのは、巨大な圧力が従業員を極端な行動に駆り立てる可能性がある点です。少なくとも現時点で、今回の事故が人為的に起きたのではないかという疑問を払しょくできるような証拠は見つかっていません。

事故発生後、ネット上には、裁判所の執行通知と共に、MU5735便の機長が金銭的に追い詰められていた可能性を示す内容が投稿されました。また、東方航空は、飛行機のメンテナンスが適切に行われていなかったのではないかとの指摘を否定しました。

 
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