ゼロコロナに不満の外資 「変更しなければ企業撤退の可能性」

中共メディアが4月に発表した不動産投資、個人消費等のデータのいずれも大幅な下落が見られ、中共のゼロコロナ措置が経済にダメージを与え、経済がより悪化したことが示されました。テスラは上海で最初に操業を再開した「ホワイトリスト」企業ですが、生産は今も疫病流行の影響によって不安定です。

テスラは元々、5月16日から生産を再開し、生産台数を都市封鎖前の一日2600台まで回復させる予定でした。しかし最新の備忘録によると、上海工場は今週に入っても「ワンシフト制」を継続しており、一日当たりの生産台数は約1200台にとどまっています。都市封鎖前の生産能力に回復させるまでには少なくともあと1週間必要です。

以前から市場では、テスラは部品サプライチェーンの不足によって、一時的に操業を停止せざるを得なかったとささやかれていました。テスラは操業停止・生産停止を否定していますが、サプライチェーン問題はやはり、生産能力を全面回復させるカギだと率直に明かしています。

中共のゼロコロナ政策が中国の外資企業に、リストラや収入減といった応急措置を止むなく取らせました。さらに、一部の外国企業はすでに中国を代替する選択肢を模索しており、うち3分の1の企業がリストラ計画を発表しています。

在中国欧州連合商工会議所(EU Chamber of Commerce in China)のヨルグ・ウトケ(Joerg Wuttke)会長は取材に対し、もし中共がゼロコロナ政策を変更しないのであれば、彼らは別の地域への投資を選択するだろうと述べました。

在中国欧州連合商工会議所のヨルグ・ウトケ会長
「これは現在進行中の災難だ。我々はこれがどれくらい続くのか分からない」

ウトケ会長は、中国を最も理解している西洋人の一人です。ウトケ会長は1982年に中国に渡り、中国生活33年のドイツ人ですが、中共のゼロコロナ政策の一環である、大規模な都市封鎖に対して感じた落胆と失望についても語りました。

在中国欧州連合商工会議所のヨルグ・ウトケ会長
「私は1989年の天安門事件を目撃した。SARSのときも見た。1997年の経済崩壊や挑戦、アジア金融危機も見た。だが私はこれまでに、現在のような危機を目撃したことはない」

上海の企業は現在、「閉ループ」営業しなければ操業再開準備の許可が下りません。周辺地区のサプライヤーの工場と物流はまだ通常の状態に回復していないため、原材料の供給もまだ不安定です。

時事評論家 唐靖遠氏
「こうした企業が移転する場合、巨額の資産の損失が生じるうえ、彼らは中国というこの世界最大の市場から離れがたく感じている。だから工場移転を決定できずにいる」

最新のデータによると企業の23%が、現在や将来の投資を中国大陸から他国に移すことを考えており、この割合は1月の調査結果の約2倍以上であり、過去10年間で最も高い割合です。経済専門家は、家庭消費が感染症対策から受けた打撃が大きいとして、その理由を長年にわたり中共が経済活性化を内需に依存してきたからだと述べています。

中共国家統計局が5月16日に発表した4月の「国民経済動向データ」によると、消費財小売総額が11.1%下落しました。官製メディア 「環球時報」の元編集長 胡錫進氏は、「ショッキング」「相当厳しい」といった言葉で今回の経済データを形容しました。

最新データは、米国企業の中国への投資に対する自信にも打撃を与えました。彼らは「トンネルの出口がふさがれて、なんの光も見えない」と述べています。

時事評論家 唐靖遠氏
「今回の都市封鎖によって多くの外国企業が、これはこの体制全体の問題だと意識した。すべての多国籍企業にとって、これこそが彼らが最も憂慮していることなのだ。なぜならこの体制が変わらない限り、この種の破壊的な政治運動が時間をおいてまたやってくるからだ」

在中国欧州連合商工会議所のヨルグ・ウトケ会長
「政治体制に対するこの種の恐怖、中国で最も大きく最も優れた都市を封鎖するという憂慮は、想像しがたいものだ」

 
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