「失神チャレンジ」で少女2人が死亡 TikTokが提訴される

人気の動画共有アプリ「TikTok」が、プレッシャーを感じています。TikTokは米国のユーザーデータを中国に流出させたという疑惑に加え、現在2人の子供の死亡をめぐる訴訟に直面しています。

最近、TikTokでは「失神チャレンジ(ブラックアウト・チャレンジ)」が人気を集めています。

ユーザーは気絶するまで自分の首を絞め、その様子を撮影し、再生回数や「いいね」の数を稼ぐというものです。

心理学者 クリストファー・コートマン博士
「私たち親は『どこからそれを手に入れたのか?なぜそんなことをするのか?』と不思議でしかたがない」

昨年、8歳と9歳の少女が失神チャレンジをして、死亡しました。

2人の両親は、TikTokアルゴリズムが有害なコンテンツを子供たちに押し付け、死に至らしめたとして、ソーシャルメディア企業を訴えています。

オマール・オチョア氏は、世界中の大企業を代理してきた一流の裁判弁護士です。

オマール・オチョア法律事務所創立弁護士 オマール・オチョア氏
「機密保持やプライバシー保護、有害でないコンテンツの作成など、ソーシャルメディア企業に説明責任を持たせようとする動きが、この国に現れていると思う」

訴訟では、TikTokは自社の動画に中毒性があることを知っていながら、子供や親たちに警告しなかったと主張しています。

クリストファー・コートマン博士は、36年以上にわたって心理学者として活躍しており、自身のTikTokチャンネルでメンタルヘルスや子育てのヒントを紹介しています。

心理学者 クリストファー・コートマン博士
「8歳や9歳という年齢では、子供の脳や目や耳を通して何がインプットされているかを知ることは、父親である私の責任であり、母親の責任でもあるのだ」

亡くなった2人の少女が、初めてスマートフォンを手にしたのは、7歳と8歳の時でした。

コートマン博士は、それはまずいことだと言います。

心理学者 クリストファー・コートマン博士
「携帯電話や電子機器を渡すだけではダメなのだ。子供に影響を与え、子供にトラウマを植え付け、子供を病んだ方向に導くのに、それほど時間はかからないのだ」

コートマン博士は、ソーシャルメディアが責任を取るかどうかは別として、親はもっと意識して子供に接しなければならないと言います。

心理学者 クリストファー・コートマン博士
「何ができるか知っているか?私はこの窒息の話を聞いたことがある。この方法で自殺する可能性もある。そして、脳を損傷する可能性もある。我々は彼らにもっと良い情報を与えなければならない」

残念ながら、それだけでは不十分な場合もあります。今回提訴した母親の1人は、9歳の娘に失神チャレンジをしないようにと、特に強く警告していたといいます。

訴訟によると、少女は理解したとのことです。しかし、わずか1か月後、少女は動画を見続け、そのチャレンジをして死亡したのです。

昨年、Googleをも追い抜いて、最も人気のあるウェブサイトとなったTikTokは、1990年代と2000年代に人気があった「窒息ゲーム」に言及し、失神チャレンジは、このプラットフォームに掲載される前からすでに流行っていたと主張しています。

〈字幕版〉

 
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