電気自動車普及の問題点

世界の一部の国が、従来のガソリン自動車を禁止しようとしています。そして近い将来、電気自動車に置き換えることを推進しています。しかし、ガソリン自動車をすべて電気自動車に置き換えた場合、いくつかの問題を引き起こす可能性があります。そのひとつは、中国のサプライチェーン支配に関わるものです。

世界各国が、内燃機関自動車を廃止し、排出ガスを出さないゼロエミッション車(ZEV)に置き換える計画を打ち出しています。

ノルウェーは2025年までにすべての車両をゼロエミッション車にすることを目指しています。

デンマーク、アイスランド、アイルランド、イスラエル、オランダ、スウェーデンは、2030年までに全ての車両をゼロエミッション車に置き換えることを目指しています。

中国と日本は、2035年までにすべての自動車を電気自動車に置き換えたいと考えています。また、フランス、ポルトガル、スペインは2040年までにすべての車をゼロエミッション車にすることを目指しています。

しかし、電気自動車に置き換えたとしても、環境汚染は発生します。電気自動車自体は直接二酸化炭素を排出しませんが、充電するのに電気を必要とします。米国では、電力のほとんどが化石燃料からつくられています。このため、電気自動車はかえって環境に悪い可能性があるという研究を全米経済研究所が発表しています。

また、夜間に電気自動車を充電すると、二酸化炭素排出量が23%〜27%増加するとの調査結果もあります。

もうひとつは、電気自動車の動力源であるリチウムイオン電池の製造に関する問題です。

カーコーチ・レポーツの自動車専門家 ローレン・フィックス氏
「リチウムイオン電池の全ての供給を行っているのは、中国だ」

ローレン・フィックス氏は米国の自動車メディア「カーコーチ・リポーツ」の自動車専門家です。フィックス氏は、リチウムイオン電池とその材料の世界的な生産は、中国が支配していると述べています。

カーコーチ・レポーツの自動車専門家 ローレン・フィックス氏
「それは、部品やバッテリーの問題に帰結する。もし中国がマイクロチップなどの部品供給の大部分を支配しているのなら、彼らが供給を支配し、電気自動車産業の勝者と敗者を決めることができるのだ」

中国は世界第4位のリチウム埋蔵量を持つに過ぎませんが、リチウムを鉱山から採掘して、車に搭載するまでの各段階を支配するために多額の投資を行っています。

〈字幕版〉

 
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