ケリー・キンケイド氏はストア派の哲学者で、徳を積んで人生の困難を受け入れることが自己の成長につながると信じている。
同氏は、ミシガン州の非営利団体「ストア派研究所」の代表。エポックタイムズの姉妹メディア「NTD」とのインタビューで、「法輪功の中核をなす真・善・忍は、ストア派の徳とその4つの側面(正義、節制、知恵、勇気)に似ている」とコメントした。
同氏は言う。「それらは個人を幸せにし、より良い市民にしてくれます。しかもその恩恵は、個人的なものにとどまりません。その恩恵は、社会全体に及ぶのです」。同氏は、法輪功の創始者である李洪志氏が1月に発表した「なぜ人類はいるのか」を読み、それを掲載したエポックタイムズに手紙を送った。
「読んでみて、徳を積むことを強調している点に、ストア派の私は嬉しい驚きを感じました」と同氏。「このように考え抜かれた世界観に触れたことは、私にとって大変貴重な経験でした」
同氏はさらに、自分の考え方は法輪功と異なる部分もあるが、最終的な結論は共通していると説明した。「視点の異なる東洋と西洋がこうして出会ったことは、私にとって非常に励みになりました。なぜなら、私たちが同じ結論に達しているからです。人々を個々に高めることで、人類は発展するのです」
向上する手段としての苦悩
「なぜ人類はいるのか」には、痛みや悩みが人の道徳心を養うために存在するという考え方が示されている。キンケイド氏によると、苦しみを自分を向上させるための手段として捉えることは、ストア派にも存在する概念だという。
『徳について』の著者でもある同氏は、「人生で辛い状況にどう対処するか。対処のし方によっては、その苦しみがなかった場合よりも、より良い状態になるのです」と述べ、「それは、どのような世界観においても非常に強力な教義です」と続ける。
「困難は避けられません。しかし苦しみは何か悪いことをしているという意味ではなく、人生では、すべてが正しいという意味でもあるのです」と同氏。「なぜ人類はいるのか」は、人生の困難にどう対処するのかについて異なった視点を与えてくれるものであり、それは同氏にとって「かけがえのないものでした」
迫害の被害者への共感
李洪志氏は、1992年に中国で法輪功を一般に伝えた。法輪功は人気を博し、学習者は7000万人から1億人とも言われていた。しかし中国共産党政権は、法輪功の学習者数が権威主義の脅威となることを恐れ、1999年7月20日から法輪功の撲滅を目的とした大規模な迫害を開始。20年以上経った現在も、この迫害は続いている。
キンケイド氏は、法輪功について教えてくれた李洪志氏に感謝の意を表し、中国で迫害されている法輪功の学習者に、より共感できるようになったと語る。
「『なぜ人類はいるのか』を契機として、私は、法輪功を実践しているというだけで迫害されている人々を理解したのです。それまでは、迫害されている人々を名前や拷問の内容でしか知りませんでした。『なぜ人類はいるのか』は、彼らの多くが抱いている深い信念を教えてくれました。『なぜ人類はいるのか』によって、彼らのことがよりリアルに感じられました。こうした人たちが受けた不当な仕打ちに対する憤りが、より一層かき立てられました」
そして、中国共産党による法輪功への迫害は「神への信仰に対する攻撃」であり、したがって「神そのものへの攻撃」であるとコメントした。
「私たちは、一つの家族のように関係しているのですから、(中国共産党による迫害は)文明世界にとって非常にショッキングなことです。それは、人類社会そのものへの攻撃なのです。世界がこの酷い迫害について知るべきです」と同氏。「『なぜ人類はいるのか』は、法輪功の実践者を迫害したり、脅威を感じたりする政府がいかに狂っているかを示しています」
神聖な繋がり
キンケイド氏はNTDとのインタビューで、李洪志氏が神聖な事柄や人類を結びつける共通の価値観について進んで言及されたことにも感謝を表明した。
「人生には(束の間の幸福)よりも高い目的があるという考えは、ストア派の私に深く響きました」と同氏。
そして李洪志氏の言葉を自分の信念と結びつけ、ストア派の概念であるコスモポリタニズムに触れ、全人類は物理的にも道徳的にも「水平方向の親族のような関係」にあると言及する。
「しかし一方で、私たちには、神との垂直的な親密さという繋がりもあります」と言う同氏は、「今回の体験(『なぜ人類はいるのか』を読んだこと)は、東洋と西洋という二つの世界観が深いところで一致したということであり、この一致は神の真理からでしか生まれません」と言う。
「法輪功の指導者のような重要な人物からこうした深い考えを聞けたことは、貴重なことでした。…李洪志氏は、私が知っているどの政治家よりも、より多くの人々に良い影響を及ぼしています」と同氏。そして李洪志氏の「なぜ人類はいるのか」に接する機会を与えてくれたエポックタイムズに感謝し、神聖なテーマを扱うことを恐れない同紙に賛辞をおくり、同紙を支持するとした。
「多くの組織・団体は、神の話題から距離を置きます。しかしこの話題は、優れた人生をおくる上で最も重要なテーマです。こうした記事を扱うエポックタイムズは、私にとって信頼に足るところで、興味をひきつけられます。信教の自由を大切にするだけでなく、このような記事を掲載することでそれを実証しています。こうした実証を見ると、光は闇よりも強力だと思い知らされます」
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(大紀元エポックタイムズより転載)