米中衝突「何が起きてもおかしくない」= 専門家

米国と中国間の緊張状態は、今年に入ってもとどまるところを知らず、ますます高まっています。著名な中国問題専門家によれば、今後のあらゆる展開は無視してはならないもので、中国共産党(中共)に対抗する米国の政策は、確実に実施されるべきだといいます。

米中の対立が依然続くなか、インド太平洋地域での中国の軍用機や軍艦による米国や同盟国への危険な行為が増加しています。世界中では、米中の衝突が間近に迫っているのではないかと懸念する声が上がっています。

米ヘリテージ財団中国問題上級研究員 マイケル・ピルズベリー氏
「何が起きてもおかしくありません」

著名な中国問題専門家であるマイケル・ピルズベリー氏によれば、米中衝突がいつ起きるのか推測するのは難しいといいます。過去の戦争を振り返ってみても、誰もその引き金を予測できなかったことがすべてを物語っています。

ピルズベリー氏が米政府機関にいた頃、米中戦争勃発を想定した兵棋演習が何度も行われたといいます。世界の大国である米国には利点がありますが、欠点もあります。米国が敵に打ち勝つためには、優れた現実的な戦略が必要だとピルズベリー氏は考えています。

マイケル・ピルズベリー氏
「私たちには経済的な優位性もあるほか、アフガニスタンやイラクとの戦闘経験もあります。しかし、最大の欠点は、米国がインド太平洋に近くないことです」

さらに米国は、中共の台湾侵攻が3年間続くシナリオも予測して軍事演習を行っていますが、米国はどのように弾薬を補給するのでしょうか。あるいは、戦争が勃発した時に、中共が日本やフィリピンを脅かし、米軍に軍事基地を提供できなくなったら、グアムの米軍基地さえ使用できなくなったら、米国はどう動けばよいのでしょうか。

マイケル・ピルズベリー氏
「もしも我々が日本や第一列島線、フィリピンから撤退しなければならなくなったら、使用できる軍事基地がなくなったら、米軍は太平洋の島々に別の基地を獲得しなければならなくなるでしょう」

ピルズベリー氏によれば、トランプ前大統領は太平洋の島国との円滑化協定を非常に重視しており、この時のために米軍が使用できる基地の創設が検討されていたといいます。

また、兵棋演習の他に、米国では中共に対抗するための法案が毎年数十本定義されていますが、その多くは最終的にはうやむやになってしまっているとピルズベリー氏は指摘しています。

マイケル・ピルズベリー氏
「さまざまな組織による中共の無人機購入を禁止する法案が両院で可決されました。国防授権法に盛り込まれるはずでしたが、知らず知らずのうちに法案から消えてしまったのです。議会で可決され、大統領が署名までしたにも拘らず、なくなりました」

ピルズベリー氏は、中共の侵攻をより効果的に防ぐためには、米国はこれらの法案の実施状況を把握しておく必要があると強調しました。

 
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