大量無人機「米レプリケーター計画」で中共に対抗

米国防総省はこのほど、中国共産党(中共)の巨大な軍備と人員に対抗するため、今後2年以内に陸、海、空域に数千機の無人偵察機を配備する「レプリケーター(複製者)計画」を発表しました。

先月28日、キャスリーン・ヒックス米国防副長官は、ワシントンD.C.で開かれた米国防産業協会(NDIA)の軍事科学技術会議に出席しました。

同会議でヒックス氏は、「レプリケーター計画」に関する構想を発表しました。これは「小型で、精密で、低価格で、大量に」という特性を持つプラットフォームを作ることを目指し、中国共産党の艦船、ミサイル、人数規模における相対的な優位性を減少させることを目的としています。

レプリケーターの目標は、今後18〜24か月の間に、複数の地域に数千の「消耗可能な自律型兵器システム」を配置することです。

米国防総省は以前から、自動操縦艦艇や無人偵察機などの自律型無人システムに投資してきました。

ヒックス氏は、これらのシステムは有人プラットフォームの低コストな代替として実証されており、戦術的な極限環境に対応することができると述べました。そして、今こそ全領域で、敵のリソースを削減するための消耗型の自律性を新しいレベルに引き上げる時だと述べています。

台湾国家政策研究基金会の軍事専門家である李正修氏は、米国の強力な科学技術力が「レプリケーター」の戦略的な実行の可能性を保証し、さらに自国軍の死傷者を大幅に減らすことができると考えています。

台湾国家政策研究基金会の軍事専門家・李正修氏
「基本的には、いくつかの主要な分野に自動化された兵器システムを配備します。コストを低減させ、さらに人的リスクも減らすことを目標としています。また、兵器システムを短期間で更新、改良することを可能とし、米軍の敵を制圧する能力を強化したいと考えています。米国の現在の技術力では、比較的容易に実現できるでしょう」

この計画は、ロシアとウクライナの戦争に触発されたと考えられます。

この戦争において、安価な無人機は、ウクライナにとって、探知と戦闘に不可欠なツールとなっています。

その一方で、70社近い中国の輸出業者が、ロシアに対して26種類のブランドのレプリケーター計画を販売しています。市場で最大のシェアを持つDJI社はすでに、米国の輸出規制リストに載っています。

ヒックス氏は、「レプリケーター計画」は生産をするだけでなく、技術を迅速に適用する能力にも関わっており、中共からの脅威や台湾海峡の潜在的な対立に対して革新の力で対応するものです。

台湾国防戦略資源研究センター・蘇紫雲所長
「テクノロジーのコントロールによって、米国は絶対的な技術的リードを保つことができます。その核となるのは、先進的なチップです。中共軍が先進的なチップを手に入れることができなければ、既存のレベルにとどまるしかありません。そこで米軍が進歩し続ければ、中共軍を大きく引き離すことになります」

近年、中共は台湾への軍事的圧力を強めており、軍用機や無人偵察機の派遣を増やし、台湾周辺に抑止力を展開しています。

先月29日、台湾国防部は、台湾海峡の中央線を横切った6機のJ-10戦闘機と1機の無人機を含む12機の中共軍用機を防空識別圏(ADIZ)で発見し、またその他に5隻の中共軍艦が「戦闘態勢での巡航」を行なっていました。

米インド太平洋軍司令官のジョン・アキリーノ氏は、西太平洋で将来起こりうる戦争において、米軍は広い範囲にわたって多数の標的に対応する必要があると述べました。

この課題に対応するため、インド太平洋軍司令部と米国防高等研究計画局(DARPA)は、24時間以内に数千の目標をピンポイントで特定し、無人機の群れと攻撃を同期させることができる「Hellscape計画」も展開しています。

米国防総省が中共に対する「レプリケーター計画」を発表したのは、ジーナ・レモンド商務長官が中国を訪問しているときでした。

台湾国防戦略資源研究センターの蘇紫雲所長は、米国は中共の外交的抑圧を完全に振り切り、自国と同盟国の安全保障に関わる問題でますます強硬的になっていると考えています。

蘇紫雲氏
「私は最悪の事態に備えなければなりませんが、同時にリスクを減らすための交渉ができることを望んでいます。リスクを減らすというのは、米国が軍備を縮小してもよいという意味ではなく、 現在の状況のように、米国は軍備を強化し続け、一方で対話の余地は残すということです。つまり、軍事問題においては強硬な姿勢を維持したまま、経済的な面では部分的にオープンでいるということです」

さらに、ヒックス氏は演説の中で、米国は中共の指導部が朝起きて、リスクを考慮した上で「今日は台湾を攻撃するふさわしい日ではない」という結論に達するようにしたいと特別に付け加えました。そして今日だけでなく、これから先の2027年、2035年、さらには2049年、そしてその先まで毎日そうであるようにする必要があると述べました。

 
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