金正恩がプーチンによる暗殺恐れ 厳重な護衛

北朝鮮金正恩総書記が13日、ロシアのプーチン大統領と会談を行い、二人が40秒にわたって固い握手を交わした様子がネット上で注目を集めています。しかし、会談の後にネット上に投稿された別の映像によると、事実は異なるようです。

金正恩氏とプーチン氏の会談前に撮影されたと思われるこの映像には、北朝鮮側のボディーガード2人が、会談で金正恩氏が座る予定の椅子を入念に拭いて消毒し、さらに椅子の放射能チェックをする様子が映っています。 またその後、ボディーガードが椅子を押し、頑丈さを確認しているように見てとれます。最後には、女性スタッフが椅子の安全性を再確認しました。

ロシア紙「コメルサント」14日付の報道によると、ロシア側が金正恩氏に提供した椅子は北朝鮮にとって大きな懸念材料であり、北朝鮮のスタッフがはじめに用意した椅子に満足せず交換を求めたが、ロシア側は同じ椅子にせざるを得なかったと明らかにしました。

両者の会談は非常に温厚で友好的に見えたにもかかわらず、映像は金正恩氏のプーチン氏に対する守りの姿勢を外部に示した形となりました。

中国問題専門家・横河氏
「全体主義国家の指導者は、その独裁度合いが高ければ高いほど、自分の身の安全について安心できないものです。独裁者と権力を共有しようとする者、あるいは独裁者に取って代わろうとする者にとっては、選べる道は一つしかないために、金正恩氏の目には、誰でも自分に危害を加える可能性があると映るのです。国内では身辺警護はとても厳重で、金正恩氏がコントロールできるものですが、海外ではそうは行きません。金正恩氏にできるのは、自分自身の警備を強化することだけです。これこそ、金正恩氏が海外訪問に行くことが少ない理由の一つです」

大紀元コラムニスト・王赫氏
「プーチン氏にとっても、自分の身の安全が非常に気になるところです。2つの独裁国家、そして2人の独裁的な国家指導者は、お互いにハリネズミのようなもので、温もりを求めて抱き合う一方で、相手に刺されるのを恐れて、強く抱き合うことはないのかもしれません」

報道によれば、金正恩氏は移動の際は非常に用心深いと言われています。暗殺を恐れて、通常は飛行機に乗らず、重装備の防弾列車で大勢のボディーガードを従えてゆっくりと移動するそうです。今回の会談でも、金正恩氏一行は、列車で4日近くかけてロシアに到着したとのことです。

以前、金正恩氏の親衛隊「護衛司令部」で働いていた脱北者は、金正恩氏はどこへ行くにも必ず自分のトイレを持参し、排泄物が外国の諜報員に収集・分析され、健康状態を知られるのを防いでいると明かしました。

王赫氏
「金正恩氏の健康状態は、北朝鮮の政治の安定性に直接影響します。そのため、この点に関する諜報活動は、各国の諜報システムにとって大きな関心事です。金正恩氏のような人物の場合、情報源やあらゆる情報を可能な限り遮断し、外部が彼の動きや具体的な個人的状況を効果的かつ正確に判断できないようにブラックボックスにしておかなければならないのでしょう」

同じように一党独裁の指導者である習近平氏も最近、自身の身の安全を極度に心配し、「任期中に死ぬ」という予言を確信するあまり、暗殺されないよう「能力のある人物」に指導を依頼していることが明らかになりました。南アフリカ警察は、習氏が南アフリカで開催されたBRICS首脳会議に多数のボディーガードを同行させただけでなく、食事用のナイフやフォークをはじめカーテン、マットレスなどの家具も自前で持ち込んだことを証言しました。習氏がG20を欠席したのも、暗殺を恐れてのことと思われます。

王赫氏
「中国の『鉄板図』や『推背図』などの多くの予言の中には、習氏の運命に関わる予言がたくさんあります。中には、習氏がクーデターで死ぬとする予言もあります。これは習氏に非常に大きなプレッシャーを与えストレスとなっており、国家統治や具体的な政策に直接的な影響を及ぼしています。また秦剛氏や李尚福氏、ロケット軍の上層部など、これまで習氏が推していた人物が次々と解任されました。これは習氏にとって大きな打撃となっています。習氏は今や誰も信用できなくなっています」

 
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