李克強急死前に軟禁の噂 東郊ホテル独占取材

中国共産党(中共)前首相の李克強氏が急逝した後も、各地で多くの人がその死を追悼し、中共の全体主義に抗議しており、当局は破局の危機に瀕しています。

拡大する追悼の声 当局は破局の危機

李克強前首相が急逝した後も、中国各地では、人々は街頭で李氏に献花するなど、追悼の声が日に日に高まっています。

北京時間31日未明、李氏の旧居である合肥市の紅星路には、まだ多くの人が献花に訪れていますが、道路の両端は封鎖され、現場には多くの私服警官がいました。

30日夜、安徽省蕪湖市の路上には、李氏の巨大な肖像画を掲げた人々が立ち、花束やカードを贈りました。

同日、湖南省衡陽市ボランティア協会が主催した追悼式には数百人が参列し、少なくとも3人が警察に連行されたという噂もあります。

武漢長江大橋の武昌橋に巨大な花輪が捧げられました。

30日夜、李氏を弔問する人々を防ぐため、上海淮海中路は閉鎖されました。

一部のアナリストは、街頭に出た人々の中には李氏を追悼する機会を利用して、最高権力や中共、社会に対する長い間抑圧されてきた不満を表明している人も少なくはないと分析し、これが当局のパニックを引き起こしたとみています。

追悼者を監視 公安は追悼品の注文情報を調査

現在、当局は民間の追悼活動を厳しく監視しており、それは花やキャンドルにまで広がっています。

公安部門は、北京大学や青年団中央委員会、中央党校などの学校・団体から天安門広場や府右街などの地区まで、広範囲の商品注文情報を調査しています。注文数から追悼の規模を判断するため、商店や小売業に1時間ごとにデータをフィードバックするよう求めています。

当局は、ビッグデータを通じて誰が花やキャンドルを注文したかを把握し、後の逮捕のための布石を打っています。

また、ネットユーザーは、瀋陽市では菊の購入には警察署への事前届け出が必要だと明かしました。

激しい内部闘争 李克強氏は生前、上海に軟禁

大紀元の報道によると、李克強氏は生前、上海東郊ホテルに軟禁されていたといいます。元中共のトップ江沢民も、生前2年間はこのホテルに滞在していました。同ホテルの警備は北京の中央警衛局が行い、上海市は同ホテルの警備に関与してはならないことになっています。

李氏が急死する前も、そこで軟禁されていた可能性があります。というのも、習近平氏が南アフリカに行った際、李氏が敦煌で大々的に登場し、習氏の不満を買ったためです。

また、中央規律検査委員会(中規委)が団派と呼ばれる共産主義青年団派閥の高層部の汪洋氏と胡春華氏の家族を調査し始めているという噂も流れていることから、北京はすでに団派に対して行動を起こしていることが分かります。これらのニュースを総合すると、今回の李氏の急死は一筋縄ではいかないという印象を受けます。

中国問題専門家である横河氏は、李氏の死の深い原因は、中共上層部の内部闘争に由来すると分析しています。李氏は引退し、表面的には習氏の脅威にはなりませんが、政治・経済の深い泥沼に陥っている習氏にとって、李氏の存在自体「目の上のたんこぶ」でした。習氏に対抗する旗印として李氏を持ち上げようとするこれまでの試みも、習氏への挑戦であり、これらはすべて李氏にとって不利な要素であったと指摘しています。

中共体制内から死因の徹底究明を求める声

10月30日、独立系時事評論家の蔡慎坤氏がX(旧Twitter)で公開書簡をシェアしました。筆者は中共の広報機関である新華社通信の元記者、顧万明氏であり、李氏の死因を徹底的に究明するよう求めています。

この書簡によれば、李氏のいわゆる「休養」は、明らかに中央政府によって承認され、手配されたものだといいます。10月25日に上海の東郊ホテルにチェックインした李氏が、そのわずか1日後に急死したことは非常に難解な出来事だとしています。また、李氏の遺体の火葬は直ちに中止し、遺体を保存して死因を究明すべきであると求めています。

すでに中共から脱党した元中共党校教授の蔡霞氏もこの公開書簡をシェアしており、もし彼らが李氏に対して「心臓病による死亡」を敢行するならば、どんな名目であれ、誰でも失脚させることができると述べました。

多くのネットユーザーが「安徽頑張れ」 CCTVがコメント封鎖

29日夜、多くのネットユーザーがCCTVのニュース生放送のコメント欄に「安徽(省)頑張れ」などのメッセージを残したため、CCTVは直ちにコメント欄を閉鎖しました。

バイデンが李克強悼む 中共当局が習近平への挨拶に変更

10月27日、米国のジョー・バイデン大統領がホワイトハウスで王毅外相を出迎えた際、李克強氏の死去に哀悼の意を表しましたが、中共外交部が発表した声明はそのことに一言も触れず、バイデン氏の習近平氏への挨拶に露骨に書き換えました。

王毅外相の報道は今回、死者への哀悼の意を生者への挨拶に変えたため、非常に不吉であり、そして、王氏が習氏の次のターゲットになるのではないかと推測が流れています。

 
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