「キャピタル・レポート」 中共、民主国家に浸透 神韻の韓国公演を妨害(一)

「キャピタル・レポート」韓国ソウルでの特別番組へようこそ。

今後数日間、私たちはソウルに滞在し、この民主主義国家における中国共産党(中共)の影響力と浸透について、皆さんにご紹介していきたいと思います。

韓国は、北朝鮮の核拡散問題との闘いにおいて戦略的に重要であるだけでなく、(アジア太平洋)地域の何十億もの人々にとって、民主主義の価値と人権の灯台としての役割も担っています。韓国の西は共産主義の中国に囲まれ、北は同じく共産主義の北朝鮮と隣接しています。そして、南北の軍事境界線から、いま私たちのいるソウルまでわずか56キロメートルしか離れていません。現在、中共はこの社会のあらゆる分野に浸透しており、韓国の民主的価値観と生活様式は差し迫った挑戦に直面しています。私の後ろにある劇場は韓国の主要な劇場のひとつですが、中共の要請により、米国の芸術団の公演を拒否しています。このことに焦点を当てて話したいと思います。

神韻とは何でしょうか。なぜ中共は韓国で神韻公演を妨害しているのでしょうか。

「新唐人」は、中共による神韻公演への干渉の歴史を掘り下げ、なぜ自由世界がそれについて警戒する必要があるのかを探っていきます。

中国の検閲制度は、米国の重要な同盟国である韓国にも及んでおり、ソウルの主要な劇場は現在、神韻の公演を拒否しています。

神韻は米国を拠点とする芸術団で、共産主義以前の中国を舞踊と音楽で表現しています。

「大紀元」の調査によると、駐韓国中国領事館は数年にわたり、神韻公演を許可すれば、経済的・政治的報復をすると劇場側を脅してきたといいます。

2016年、韓国放送公社のKBSホールは、中共大使館から「韓国と中国の関係が損なわれる」という警告書簡が送られたため、神韻芸術団の公演契約を解除しました。

韓国の裁判所の判決は、北京の報復が潜在的な経済的損失につながることを明確にし、KBSが「中国への番組輸出に失敗すれば……巨額の損失に直面する可能性がある」と述べています。

そして、(中共の影響を受けた)民主主義国家は韓国だけではありません。中共は(他の民主主義国でも)政治的・経済的影響力を行使して神韻芸術団を審査しており、米国、カナダ、欧州、豪州の中国大使館からも同様の書簡が送られ、(神韻公演を阻止するために)劇場や議員・役人などに圧力をかけています。

スペインでの事例では、中共の駐スペイン中国大使がマドリードの劇場に対し「神韻公演を中止しなければ中国市場を失う」と、自ら警告したことを録音で認めています。

駐スペイン中国大使館の呂凡大使
「中国市場との将来的な協力関係の展望は非常に広いものです。このことで中国市場を失うわけにはいきません。彼らもすぐにこの問題を認識しました」

しかし、なぜ強大な権力を持つ政権が、さまざまな手段を使ってまで芸術団体を妨害するのでしょうか?

神韻は、中共が数十年にわたる支配の中でほとんど破壊してしまった、中国5千年の伝統文化を復活させることを使命としています。

芸術団のメンバーはまた、法輪功を修煉しています。このような座禅して瞑想する修煉法は中共政権によって迫害されており、芸術団のメンバーには、(中共による)迫害から逃れた人もいれば、家族がまだ中国に監禁されている人もいます。

(神韻の)舞踊は、王朝の時代から古典文学中の場面まで描いており、現在の中国における法輪功学習者の話や、文化大革命における仏教寺院の破壊の話も含まれています。演目は中国の文化、歴史、そして、精神面にも触れており、中共にブラックリストに載せられました。

しかし、その価値観こそが世界中の何百万人もの人々を魅了しているのです。現在、神韻は毎年20か国、200近い都市で巡回公演を行っています。

中共はほとんどの国で神韻に干渉できませんでしたが、韓国では妨害することができました。

この件に関して韓国と米国がどのように行動するかによって、中共が重要な(米国の)同盟国をさらに操れるかどうかが決まるかもしれません。中共の圧力に屈するのか、それとも自由世界の普遍的価値観を守るのか、両者は岐路に立たされています。

 
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