香港民主活動家・周庭氏 「香港には戻らない」カナダへ

かつて2020年まで香港に存在した政党「香港衆志」の副秘書長を務めていた周庭氏は、2023年9月、トロントに留学するため香港を離れました。12月3日、27歳の誕生日を迎えた周氏は、もう国家安全警察に出頭せず、香港にも戻らないと発表し、支持者たちから祝福されました。

12月3日、前香港衆志の副秘書長・周庭氏は、テレビ東京の取材に応じ、保釈を放棄し、永久に香港に戻らないと表明しました。

周庭氏
「今年の12月に香港に帰ってまた出頭をしなければいけないですけれども、今、香港に帰らないということを決めました。もう香港に戻れない、多分、一生戻れないということを決めました」

中国共産党(中共)の「香港版国家安全法」によれば、彼女は12月末に香港に戻り、警察に出頭しなければなりません。

周庭氏は初めて、香港政府の強要により、医師から「不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、うつ病」と診断されたと語りました。

周庭氏
「うつなど、あとPTSDなど、いろいろになって、本当に香港にいた3年間、もう何もできなかったです」

周庭氏は15歳で学生運動に参加し、17歳で「学民思潮」のスポークスパーソンとなり、19歳で香港の自決権を掲げる政党「香港衆志」創設メンバーの1人となり、黄志峰氏とともに秘書長、副秘書長を務めました。

2020年8月、彼女は元「アップルデイリー」創業者の黎智英事件に関連したとして香港国家安全警察に逮捕されました。そして、12月に「他人を扇動して無許可の集会に参加させた」等の容疑で10か月間収監されました。2021年6月に釈放されましたが、現在も「外国勢力と結託して国家の安全を危険にさらした」容疑で捜査が続いており、定期的に警察に出頭することが義務付けられ、パスポートも没収されました。

周庭氏によると、留学のためパスポートの返却と引き換えに、深圳市への渡航を強要されたといいます。

今年9月、彼女は無事にカナダに到着しました。

12月3日、周庭氏はインスタグラムに投稿した長文の中で、この2年間、「心の中の恐怖と不安はまったく消えていない」とし、「国家安全警察に家を捜索され、判決を言い渡され、手錠をかけられ、そして、真っ裸にされて検査された光景」がいまだに残っていると述べました。

周庭氏が逮捕された事件は、中国、香港、台湾、そして日本からの声援を呼び起こし、香港政府に協力しないことを選択した彼女の決断は、彼女の支持者から祝福され、1日で13万1千人が彼女に「いいね!」を押しました。

周庭氏
「政府が逃亡犯条例を撤回しても、香港の人々の怒りは収まりません。そして、警察の暴力と香港政府の警察による権力の乱用は今後も続くでしょうから、香港人の怒りと不満はずっと続いていくでしょう」

 
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