中共スパイを海外に輸出した疑い 元記者の王志安の素性

元中国共産党(中共)のプロパガンダメディア、中央テレビ(CCTV)記者の王志安、ソーシャルメディア名、王局志安は近年、海外でセルフメディアを運営し、中共の政策を批判するイメージで人気を集めていました。しかし大事件の時には当局のプロパガンダに合わせることが多く、大きな議論を呼んでいます。海外の民主活動家たちは、王志安が一度中国に戻り、海外でニュースメディアを運営するための大規模な対外宣伝キャンペーンの資金を確保したことを明かしています。

反共主義者は中共より、たちが悪いと批判しています。第20回全国代表大会の前に四通橋で中共に抗議した彭載舟さんをあざけり、抗議活動は「無意味」だと主張するなど、これらの発言はすべて、彼のユーチューブ・チャンネルからのもので、中共に関連する問題では、当局のプロパガンダにしばしば同調し、大きな物議を醸してきました。

昨年5月、ネットインフルエンサー「侃爺」は、生放送で、王志安を人の手柄を横取りする極めてたちの悪いスパイだと批判しました。

王志安はかつてCCTVの記者や司会者、「新京報」の調査記者を務め、2019年に党メディアから封殺され、2020年に日本に移住しました。2022年5月からユーチューブでセルフメディアを開始し、中共の政策を批判するコンテンツも行いましたが、多くのネットユーザーから「小さな反撃だが、大きな助けとなっている」「海外でも党の役に立っていることを証明しようとしている」と批判されています。

王志安の物議を醸す発言には、強姦された湖南省の唐慧さんの10歳の娘が「幼いころから人に色目を使っていた」と批判したり、また、全国に衝撃を与えた徐州市の鎖につながれた8児の母親の事件では、彼女を拉致した犯人に関して「客観的に彼女を助けた。そうでなければ、彼女は道端で凍死し、餓死していただろう」などという発言が含まれています。

そして、2022年に起きた15歳の失踪した少年、胡鑫宇事件についても、生体臓器収奪に疑問を投げかけ、被害者の胡鑫宇さんは自殺であるとも断言し、ネットユーザーからの問いかけに対しても「気にしない」と答えました。さらに、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の起源に関する発言も物議を醸しています。

民主活動家の呉建民氏は今年4月、「この4つの出来事において、そのどれか1つでも中共側に立ち、その見方をするような発言をした者は、まさに良心の欠片もなく、メディア関係者としての最低ラインすら持っていない。王局志安(王志安)はすべてのことで中共に加担するような発言をしたのだ!」と投稿しました。

ネットユーザーたちは王志安について、「彼はCCTVの代弁者だ」、「中共の潜入工作員かもしれない」、「彼は一時的にユーチューブでお金を稼ぎ、体制(中共)に戻るタイミングを待っている盗賊だ。何しろ、これが彼が生涯追い求めていることだから」などとコメントしています。

王志安もまた自分の立場を明白にしています。日本で米政府系メディア、ラジオ・フリー・アジアのインタビューを受けたとき、彼ははっきりと「私は中共に反対していないし、共産党にも反対しない」と言いました。

中国の元メディア関係者である趙蘭健氏は、8児の母親の事件を調査・証言したことで弾圧を受け、米国に逃亡しました。彼によると、王志安は証拠があることを知りながらも公式の結論を擁護し、真実を隠蔽することに加担した。これは彼は(中共にとっての)自分の価値を試しているのだろうといいます。

中国の元メディア関係者、趙蘭健氏
「王志安が流した8児の母親の叔父に関するビデオは、その後、多くのネットユーザーたちによってでっち上げたものであると証明されました。その後、彼はすぐにビデオを削除しましたが、記録はまだ残っています」

趙氏は何度も王志安に訂正を求めましたが、すべて無視されました。

趙蘭健氏
「8児の母親の事件に関して、公安部や徐州市公安局の結論は、多くの中国人が信じていないと思います。つじつまが合わない部分が多すぎるからです。真実を知りたい多くの中国人はネット封鎖を破り、ユーチューブを見ますが、王志安の誹謗中傷の映像に再び騙されてしまうのです」

CCTVの番組の決まりを熟知している趙蘭健氏によると、王志安が何度もツイッターや自身のチャンネルで、中共のプロパガンダを宣伝したり、中共のやり方を真似していることが分かったそうです。しかし海外では、中共のプロパガンダを宣伝しているという正体が見破られれば、そのメディアブランドは崩壊するでしょう。

趙蘭健氏
「王志安は共産党の宣伝モデルを完全にコピーして海外に持ち込みました。そして、民主主義者、あるいは第三者のニュースメディアのふりをして海外で宣伝活動を行っているのです」

趙氏はまた、昨年、米国の民主活動家から王志安の状況を聞かされたことを明かしました。

趙蘭健氏
「昨年渡米したばかりのころ、海外の有名な民主化活動家たちに夕食に招待されました。その中の1人が、王志安が2021年に日本から帰国し、大規模な対外宣伝キャンペーンの資金を得たと教えてくれました。王志安は中共からお金をもらって、海外のプロパガンダメディア、ニュースメディアに投資しようとしているのです」

あるネットユーザーは王志安について、「この男は文明社会で教育を受けた者としての道徳観や善悪の概念を持っていない」、「民主主義や自由を追い求めるためではなく、お金を儲けるためにチャンネルをやっているのだ。中共に再び雇われる機会があれば、すぐに中共の手先となり、共産党の指示することは何でもするだろう」とコメントしています。

 
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