中共が禁じた映画『このように働いて30年』

中国の下流階級にいる出稼ぎ農民「農民工」たちの悲惨な境遇を暴露したドキュメンタリー短編映画『このように働いて30年』が公開され、多くの人々の共感を呼びました。しかし、公開されてから24時間も経たないうちに削除されたのです。

この禁じられた最新のドキュメンタリー映画を見てみましょう。

午前4時、大勢の労働者が交差点に集まり、「今日こそ、仕事をもらえるように」と期待しています。そうでなければ本当に生活費がなくなるのです。

出稼ぎ農民工の董桂蘭さん
「ずっと時計を見て、4時になると、すぐにここへ来ました。本当に疲れています」

将来がどうなるか分かりませんが、董桂蘭さんは涙を拭いて、どんなに苦しくても耐えて生きなければなりません。もう1人の出稼ぎ農民工、王兆喜さん(54歳)は、その日幸運にも一時的な仕事を見つけました。

出稼ぎ農民工の王兆喜さん
「先ほど、あの橋の下に立っている大勢の人々、みんな仕事がないんです」

汪さんは幸運に恵まれず、彼は1〜2か月連続して、アルバイトすら見つけることができません。

出稼ぎ農民工の汪さん
「先月はお金を稼げませんでした。(村から)医療保険を支払うように言われていますが、まだ支払っていません。380元(約7700円)です。催促のメッセージが来ています」

1月8日、中国の「網易新聞」が公開したドキュメンタリー短編映画『このように働いて30年』は、主に生計を立てるために奮闘する合肥市の出稼ぎ労働者たちに焦点を当てています。この約12分のビデオは、中国の下流階級の労働者が生き抜く状況をリアルに描写しています。

ある合肥市在住のネットユーザーは、「周りの親戚、自分自身の家族を含め、多かれ少なかれ彼らの一員である」と述べ、そのため特にリアルに感じているといいます。

深セン市の出稼ぎ農民工、李さんは新唐人記者に対して、「深セン市も同じだ」と語りました。

深セン市の出稼ぎ農民工、李さん
「私の現在の月給は8千元(約16万円)で、妻と2人の子供を養わなければなりません。基本的に貯金はなく、毎月、使い果たします。私の雇い主は従業員の保険や年金などを負担してくれません」

李さんは、政府の政策が頻繁に変わるため、国が養ってくれることはあり得ないと述べ、出稼ぎ農民工が何も頼るものがない場合、最終的にはただ死を待つしかないと指摘しています。

李さん
「ここでは若者ですら仕事を見つけにくいのですから、年をとった者はなおさらです。基本的には家に帰るしかありません。以前は国家が老後をサポートすると言っていましたが、今はどうなっているのでしょうか?基本的には無視されています。国が養ってくれるなんて、そんなはずはありません。私のような年をとった者は、アルバイトや臨時の仕事をするしかありません。雇う側も臨時の人を探します。このような状況はどこにでもあります。夫婦2人の場合、男性はアルバイトをし、女性はゴミを拾います。基本的には仕事が見つからないからです」

昨年5月、安徽師範大学の仇鳳仙副教授のある社会学研究によると、中国初代の出稼ぎ農民工は30年近く都市で働き、重い病気になっても退職できず、老後の問題として多くの困難に直面しており、「忘れ去られた世代」となっています。

豪州在住の歴史学者・李元華氏
「実際、この巨大な出稼ぎ農民工のグループは2億9千万人以上に上ります。以前、彼らはまだ若い時は、自分の労働でよい生活をしたいと考えていたでしょう。しかし、経済の不景気やこれらの人々の高齢化に伴い、彼らの家族の問題は実際に中国社会全体の問題を代表しています。この映画は、まさにこの大きな社会問題を露わにしており、中国共産党(中共)はこれを恐れているのだと思います」

このドキュメンタリーが広く注目を浴びると、すぐに中共当局によって封鎖されました。

李元華氏
「中共が禁止する理由は、この映画が描いている現実が今の大きな社会問題であるためです。中共はこの社会問題にどう対処すべきか分からない時、この映画が伝播する中で集団的な影響を生むことを恐れており、それが専制的な統治体制に影響を与えることを懸念しています。特に皆がこの映画を見てこれらの問題について考える時、自然と原因を見つけるでしょう」

ネットユーザーは「貧しい人が自らの生き様を語ることは、中国では禁止されている」と落胆しています。

 
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