中共が出国制限リストで数万人を監視する実態

中国社会の生活環境が悪化の一途をたどるなか、中国からの離脱者が増加しています。密航を防ぐため、中国共産党(中共)は国境での見張りやパトロールチームの数を増やすほか、空港の出入国に対する管理も強化しています。

この問題に詳しい情報筋が「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」に明らかにしたところによると、中国国境警備隊は広西省や雲南省の国境地帯で密出国防止の配備を完了し、ミャンマーやラオス、タイなどへの逃亡路線もすべて封鎖されています。

一方、各地の出入国管理局と空港の税関は協力し、当局の重点管理下にある人々の出国を厳しく監視しています。

安全上の理由から匿名を希望する人物によると、中共の国境管理にはいくつかのレベルがあり、重点的に制限されているのは次の4つのカテゴリーであるといいます。

最初のカテゴリーは、人権弁護士であり、例えば包龍軍さんとその妻である王宇さんのような人たちです。王宇さんはパスポートを取得できず、包龍軍さんのパスポートは国境管理によって制限されています。2つ目のカテゴリーは法律や歴史を研究している学者です。3つ目は反体制派、つまり、異議を唱える人々です。最後はNGOの活動家たちです。

ある中国の反体制派は、何万人もの学者や反体制派が出国制限の対象者リストに載っていると明かしました。

中共が巡視条例を改正 内部の不安定さが露呈

2月21日、中共の巡視活動条例に関する新しい改正が正式に発表されました。改定された条例では、巡視の根本的任務と習近平の核心的地位を強調し、習近平を中心とする指導部を守ることが挙げられています。

「大紀元」の専属コラムニスト、王赫氏は、これは中共党首である習近平の政治局トップという権威が大幅に低下し、その地位が不安定になっているからだといいます。中央と地方当局の対立が激化していることも示しています。そのため、習近平は自分たちに反対する者を抑止する何らかの手段を早急に取る必要があったと分析しています。

王赫氏は、習近平の3期目となる第20回大会の後、中国の政治と経済は混乱しており、中共はさらに速く崩壊する可能性があると述べています。政治局員は習近平自身に選ばれたとはいえ、この惨状を見れば習近平には従わなくなるでしょう。そのため、現在、政治局員の習近平に対する信頼は揺らぎ、人々の心も揺らぎ始めていると指摘しています。したがって、習近平は集権的な統一指導と中央の権威を維持することを強調し続けなければなりません。

さらに、新たに改正された条例では、巡視任務は上層部の党組織による下層部への政治的監督であると強調されています。

王赫氏によれば、これは習近平が発した地方官僚への警告であるといいます。なぜなら、現在、政治局内での習近平の権威に対する変化とは別に、中央と地方当局の間に大きな対立があり、地方の役人たちは中央や習近平に納得していないからです。

 
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