米空軍基地近くに中国資本 政府が閉鎖命令

米国は、中国資本による現地不動産の購入が国家安全保障に及ぼすリスクについて、ますます懸念を深めています。最近、ホワイトハウスは中国共産党(中共)と関連があるとされる暗号通貨マイニングの企業に対し、ワイオミング州の空軍基地の近くにある資産の売却を求める最後通告を発しました。

米国のバイデン大統領は5月13日に行政命令を発表し、暗号通貨マイニング企業MineOne Partners Limitedおよびそのパートナー企業に対して、ワイオミング州のフランシス・E・ウォーレン空軍基地から1.6キロメートル以内にある不動産を120日以内に売却し、90日以内にその土地上の全ての建物と設備を撤去するよう命じました。

MineOne Partners社は英領バージン諸島に登録されており、実質的な支配権を持つのは中国の市民です

2022年6月、MineOne Partnersは米国の外国投資委員会(CFIUS)に通知することなく、この不動産を購入し、暗号通貨マイニング施設の建設に使用し、2023年初めから運営を開始しました。

ウォーレン空軍基地は、米国の一部の大陸間弾道ミサイルの貯蔵庫がある場所です。ホワイトハウスは声明で、外国資本による不動産が戦略ミサイル基地や米国の核の三位一体を構成する重要な要素に近接していることは、国家安全保障上のリスクを構成すると述べています。

台湾の軍事専門家、李正修氏
「中共は、民間企業を党への忠誠を示すための道具として利用するでしょう。特にその企業が米軍基地の近くにある場合、監視活動を行うよう要請される可能性が高いです。米国はこの企業を長期にわたって監視しており、証拠を得た上で閉鎖を命じ、施設の撤去を指示したのでしょう」

この暗号通貨マイニング企業が使用している土地は、米国国防総省を支えるマイクロソフトのデータセンターのすぐそばにあります。

マイクロソフトが外国投資委員会に提出した報告書では、この場所が中国による包括的な情報収集の拠点になりうると警告しています。

また、ホワイトハウスの行政命令によれば、この暗号通貨マイニング企業には監視やスパイ活動に使われる外国製の特殊機器が、存在する可能性があるとされています。

台湾励志協会(TIA)執行長、頼栄偉氏
「中国は党主導の政治体制を強化し、海外の力を取り込んで情報収集を進めています。これは単なる商業スパイ活動にとどまらず、米国を含む各国の機密情報を探ることも目的としています。政治や軍事情報も含まれるでしょう。米国はこれを国家安全保障上の重大な懸念と見ていると思います」

「ニューヨーク・タイムズ」の調査では、米国で使用されている暗号通貨マイニング機器の大部分が中国Bitmain 社製であり、その子会社である海南Bitmainが輸出していることが明らかになりました。この子会社は地元の政府運営のホテルに所在しています。

MineOne Partnersがワイオミング州の空軍基地近くで運営する暗号通貨設備は、中国のBitmain社から供給されています。

2017年と2019年に行われた研究で、これらの中国製設備にリモートで操作可能な「バックドア」が存在することが明らかになり、Bitmainが暗号設備施設を遠隔操作できる状況が発覚しました。

さらに調査では、中国資本を背景に持つ企業が米国国内12州に多数のビットコイン鉱山を所有しており、これらの暗号通貨設備を管理するペーパーカンパニーの実質的な経営者は、中国共産党政府や国有企業とのつながりがあることが多いと指摘されています。

台湾の軍事専門家、李正修氏は、中国資本による米国の土地、農地を含む大規模な買収が過去数年にわたって続いていると指摘しています。

李正修氏
「なぜ貴方が購入する土地や産業が、私たちの機密施設や軍事施設に非常に近いのでしょうか? これが米国の警戒心を強める理由です。そのため、連邦政府だけでなく、各州も商業活動に対して高い警戒を示し、対策を講じ始めています」

現在、フロリダ州やテキサス州を含む約24州が、中国人による土地や建物、住宅の購入を制限する法案を提出したり、法律を施行したりしており、中には連邦法よりも厳しい規制を設けている州もあります。

昨年2月、ノースダコタ州グランドフォークス市は、中国資本のFufeng Groupが計画していたコーンプロセッシング工場の建設を中止しました。このプロジェクトは米国空軍基地からわずか19キロメートルの距離に位置していました。

今月には、アーカンソー州のサンダース州知事が、中国やイラン、キューバを含む国の暗号通貨マイニング事業の外国人所有を禁止する法律に署名しました。

昨年の10月、アーカンソー州は国有企業である中国化工集団の子会社「シンジェンタ」に、州内の160エーカーの農地を2年以内に売却するよう命令しました。

これは、米国国内の農地を所有する中国資本の企業に対して、州政府が取った最初の法的措置となります。

 
関連記事