スズキの4―12月期収益と四輪販売過去最高、為替不透明で通期維持

[東京 5日 ロイター] – スズキ<7269.T>が5日発表した2017年4―12月期連結決算では、営業利益が前年同期比55.3%増の2598億円となり、同期として過去最高となった。円安効果や日本、アジア、欧州での損益改善が寄与した。為替動向が不透明なため、18年3月期通期の連結業績予想は従来のまま据え置いた。

4―12月期の売上高は同21%増の2兆7249億円、純利益は同23.2%増の1643億円となり、売上高、純利益も同期として過去最高だった。

4―12月期の四輪の世界販売台数は同11.5%増の236万8000台で、同期として過去最高を更新した。インドで過去最高だったほか、欧州、日本、インドネシアなどで増加した。二輪の世界販売は同17.2%増の119万台。インド、中国、インドネシアなどで伸びた。

長尾正彦常務は同日の会見で「インド一本足打法の現状が続いている。今回の決算も半分弱くらいがインドからの利益」と指摘。インドに続く「第二、第三のしっかりとした基盤を持ちながら備えないといけない」と語り、車を作って売るだけでなく、コネクテッド(つながる車)や自動運転、シェアリング、電動化に備えてサービスによる事業を模索するとの意向を示した。

通期の営業利益予想は前期比12.5%増の3000億円で、トムソン・ロイターが集計したアナリスト22人の予測平均値3452億円を下回る。

通期の売上高予想は同13.6%増の3兆6000億円、純利益予想は同12.5%増の1800億円。世界販売計画も、四輪の310万2000台、二輪の151万5000台いずれも従来のまま維持する。

通期の想定為替レートも従来通りで、1ドル=111円、1ユーロ=123円、1インドルピー=1.70円。

(白木真紀)

 
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