五輪=世界反ドーピング機関、CASの裁定を批判

[チューリヒ 6日 ロイター] – 世界反ドーピング機関(WADA)は6日、2014年ソチ冬季五輪のドーピング問題を巡り、ロシア選手28名の処分を証拠不十分として無効としたスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定について、失望を表明した。

国際オリンピック委員会(IOC)は、ソチ五輪におけるロシアの国ぐるみのドーピング問題に関して、複数のロシア選手に成績抹消と五輪永久追放処分を科した。しかし、それを不服とした同選手らが提訴。CASは1日に同28選手については証拠不十分として処分無効の裁定を下した。

WADAはこの裁定について「この判決による多くのアスリートの苦悩や不安、不満を我々も感じている。そして、この決断はクリーンなスポーツへの大きな障害となるだろう」との声明を出し、「我々はロシア当局とアスリートが反ドーピングシステムを欺く行為の規模を見逃すことはできない。よって、我々はクリーンなアスリートとドーピングなしのスポーツへの権利を守るために、より強力な指導力を求める」と続けた。

IOCは、厳格な基準を満たした選手については個人資格での参加を条件に出場が認めている。処分無効となった32選手を今月9日開幕の平昌冬季五輪に招待することは拒否している。

 
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