始祖鳥は短距離の飛翔可能だった、最新研究で判明

[ワシントン 13日 ロイター] – 鳥類の祖先とされる始祖鳥の翼部分の構造を最新のスキャニング技術で解析した結果、始祖鳥は短距離を飛翔できたとの新たな研究が、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。欧州シンクロトロン放射光施設(ESRF)などが研究を手がけた。

始祖鳥はカラスほどの大きさで、約1億5000万年前のジュラ紀に、現在のドイツ・バイエルン州地域に生息した。近代の鳥類と恐竜の間に共通する特徴が見られ、歯と長い尾を持つが、飛翔に必要な筋肉を支える胸骨は持たなかった。

飛び方は不器用で、キジやクジャク、ミチバシリなどのような飛翔だったと考えられる。しかし飛翔が可能だったことにより、捕食者から逃れたり、島から島へ飛んだりできた可能性があるとみられている。

スウェーデンのウプサラ大学の古生物学者ソフィー・サンチェス氏は「多くの研究者は、始祖鳥は現存のムササビのように木から木へ滑空するといった原始的な飛び方をしていたと考えていた。羽ばたきを伴う飛翔ができたと実際に分かったことは、大きな驚きだ」と述べた。

ただ、近代の鳥類が持つ肩の部分の特徴が欠如しており、現存する鳥類のような羽ばたきは不可能と指摘。「バタフライの泳ぎに似た動作だっただろう」と述べた。

 
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