【中国製】高血圧薬バルサルタンから発がん性物質 国内外でリコールへ

中国政府は、中国で製造された医薬品バルサルタンを回収すると発表しました。バルサルタンはすでに米国や欧州でリコール対象となっています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は7月13日、29種のバルサルタンおよび、51種のバルサルタン配合薬品をリコールすると発表しました。欧州医薬品庁(EMA)は、中国の医薬品メーカー、浙江華海薬業からの情報提供を受け、7月5日にリコールを発表しました。バルサルタンのジェネリック医薬品製造大手である浙江華海薬業は、自社製品に不純物N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が混じっていたと発表しました。NDMAは発がん性物質であると言われています。

ロイターの7月30日の報道によると、高血圧の患者に処方されるバルサルタンですが、中国の国家衛生健康委員会が今回、病気の診断や治療に使ってはいけないと発表しました。

さらに、ロイターは、国家衛生健康委員会によると、華海薬業製造のバルサルタンを使用している会社は6社あり、うち5社はリコールを表明したということを伝えています。

ヘイスティング・センターの相談役であり、医療についての著書もあるローズマリー・ギブソン氏は、今回の問題は、中国製欠陥医薬品が、諸外国にとって健康上の脅威となっていることの表れだ、と指摘します。

「中国で製造された薬は、今信頼を失っています」とギブソン氏は7月初旬、大紀元の取材に答えました。「国民は、自分たちが使う薬剤が安全であって欲しいのです。今回、バルサルタンに発がん性物質が含まれていたことが発覚し、中国産の他の製品も、世界基準に反しているのではないかという疑問がわきあがっています」。

米中経済安全保障調査委員会は、1月に提出した年次報告書の中で、中国が欠陥薬剤と模倣薬剤を多く生み出していると述べました。

「自国の薬品に不安がある中国の消費者は、米国の医薬品を好みます。中国は、薬剤の模倣品と欠陥品を大量に生み出してきました。2012年、中国当局は、産業廃棄物から作られ、基準値を超えたカドミウムに汚染された7700万個の中国産ゲルカプセルを押収しました」と報告書は述べています。

報告書はさらに、十年以上もの間、中国は模倣品の「主な製造者」であると述べています。米国国境で押収された模倣医薬品の90パーセントは、中国、香港、シンガポール、インドからのものでした。「質に対する懸念が、中国での米国の医薬品の売上を押し上げるかもしれませんが、中国当局が模倣品の取り締まりを厳しくしない限り、米国消費者の健康は危険にさらされることになります」と報告書は述べています。

「米国および欧州国民は、米国にあるような消費者保護法が中国にはないことを知っておいた方がよいです」とギブソン氏は言います。「中国の会社を米国の消費者が訴えようとしても、うまくいかないでしょう」。

ギブソン氏は、米国人による中国産医薬品への高まる依存が、国家の安全を脅かしている言います。「薬剤を戦略兵器として見なす必要があります。油やエネルギー供給をそう見なしてきたように」とギブソン氏は言います。「戦略兵器というのは、持っていないと国家が崩壊してしまうのです」。

 

 
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