野菜の高値に抗議した封鎖都市住民が当局に拘束=湖北省応城市

湖北省の都市封鎖の期間中に、各居住区では管理会社と関連企業が提供する食料品を通常より高い価格で購入させられていました。住民の不満が高まり、3月12日、応城市では複数の居住区で大規模抗議活動が発生しました。その後、地元当局による報復が行われ、先頭に立って抗議した住民が逮捕されました。

湖北省応城市海山応置城居住区の、曽春智(そう・しゅんち)さんは、都市封鎖中に一括配送される食料品の価格が高すぎるうえ品質も劣ると先頭に立って抗議したことにより、3月27日に警察に拘留されました。4月9日、当局は「騒動挑発罪」によって曽春智さんを刑事拘留し、4月17日には地元検察院が逮捕を許可しました。

湖北省応城市民の劉さん
「疫病流行中に送られてきた野菜は鮮度が悪かったため、海山の一部入居者が野菜を配送してくれる複数のプラットフォームに連絡した。その野菜は新鮮だった。しかし住宅管理業者はそれを許可しなかった。それでひと悶着あった。その後、一部居住区でも騒動があった。誰かが先頭で声を挙げたら間違いなく捕まってしまう」

18日には応城市政府が、曽さんは抗議の理由に「都市封鎖管理中に、管理業者の管理が行き届かず、生活物資の配送価格が高すぎる」ことを挙げたが、実際には曽さんは「管理業者委員会の責任者としての地位を求め」ており、かつ「管理業者費用を支払わなかった」と発表しました。さらに2016年から2019年までの間に「市の共産党会議の会場に突入」、「建設工事を妨げ」、「公共の場所と機関の秩序を乱す」など、「さまざまな罪を犯した」と断定しました。

湖北省応城市民の陳さんは、政府が嘘を発表したと非難しています。当時、海山居住区の抗議者の数は数百人に上りましたが、政府側は100人未満だったと通達しました。

湖北応城市民の陳さん
「疫病流行中に送られてきた野菜は質が悪すぎた。だから抗議した。100人どころの騒ぎではなく、多くの人がいた。そのなかで先頭に立っていた一人を拘束した。このことだけでなく、その人にはほかの事情もある。騒ぎが大きくなり、いくつかの居住区のリーダーがみな拘束された」

曽春智さんが拘束された情報が伝わると、多くのネットユーザーから、「どこまで人を苦しめるつもりなのか。入居者らは団結して彼女のために声をあげるつもりがあるかないかにかかっている」、「共産党は暴虐非道、庶民の命を奪う。破滅させなければならない」などと強烈な不満の声が上がりました。

湖北省応城市民の劉さん
「海山応置城居住区は比較的有名で規模の大きな団地で、このようにして一部の管理業者の行き届かない部分が反映されている。入居者も生活のため、暮らしのためにやむなくやったことで、何も間違ったことはしていない」

先日、曽春智さんの子どもが居住区のウィーチャットに、適正価格で野菜を売っていた男性が拘束され、その男性を支持したことで母親が刑務所に送られようとしているので助けてほしいとのメッセージを発信しました。この息子は弁護士に母親を弁護してもらうため、資金を集めることを選択したとして、他の入居者が、彼の母親が居住区のために払った多大な努力と彼がまだ子供であることに目を向け、手を差し伸べてほしいと希望しています。

 
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