黒竜江省で洪水災害 住民「上流ダムからの放流が原因」

6月1日から中国大陸が河川の増水期に入り、各地で洪水災害が発生しています。なかでも黒竜江省大興安嶺(だいこうあんれい)地区の搭河県(とうが-けん)は深刻な被害を受けており、堤防が決壊しています。被災者は、上流ダムからの水の放出によって、深刻な災害が発生したと話しています。

中国メディアは、数日前からの雨の影響を受けて、黒竜江省、内モンゴル、江蘇省、浙江省、重慶市、四川省などの河川21本で警告レベルを超える洪水が発生し、最大で警告レベルを0.01~2.75メートル超過したと報じました。黒竜江と嫩江(のんこう)の本流に明らかな洪水が起きることが予測されています。また気象部門は6月21日から24日にかけて江南南部、華南の大部分、西南東南部に強い雨が降り、豪雨地域の中小河川で警告レベルを超える洪水が発生する可能性があると予報しました。

ネット上の情報によると、18日に黒竜江省大興安嶺地区搭河県の県城(県人民政府所在地)、十八站郷、新林区などの多くの場所で洪水が発生し、複数の村や住宅が浸水して多くの人が帰る家をなくしました。被災者は、上流のダムからの放水が災害を深刻化したと漏らしています。

塔河県十八站店の匿名の店舗経営主
「この前からずっと雨が降っていた。中程度の雨と大雨だ。水がこれほど増えた理由は、水が全部上流から流れてきて搭河全体を水没させ、道路の一部が水で崩れたからだ。時々断水が起こり、冠水が特に深刻になったら停電も起こる。山のふもとは全部停電が起きた。徐々に水は引いていくが、今はそれほど早くはない。搭河では今、放水が始まっているが事前通告はなかった」

19日午前8時ごろ、大興安嶺地区の営林場従業員400人余りが搭河県十八站センターで堤防を苗木で補強していたが、水の勢いが増してこの日の午後1時ごろに堤防が突然決壊し、この400人余りが孤島に取り残されたと報じられました。

塔河十八站で店舗を営む曹さん
「ここは林業局十八站センターで、ダムの決壊によって1階が浸水した。水は今ゆっくりと引いており(400人余りは)救助された。今は(堤防の)修復中だ。私たちは今雨季を迎えているが、連日雨が降るなんて誰も予測できなかった。91年に洪水が発生し、今年また起こった」

重慶市も先日暴風雨に見舞われ、18日には石柱県で深刻な災害が発生しました。あるネットユーザーは、水害対策などあってないようなものだと痛烈に批判しています。現場の動画には、河川が増水して複数の村で洪水が発生し、木や自動車が流され、複数の地区で道路や橋、家屋が流され、被災者が天を仰いで助けを求めている様子が撮影されています。

 
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