天安門事件を作品にした彫刻家 香港国安法の適用免除を要求

デンマーク人の彫刻家は、香港国家安全維持法によって自身が起訴されない保証を香港当局に求めています。この彫刻家は自分の作品をデンマークに持ち帰ることを計画しています。それは「国恥の柱(Pillar of Shame)」と呼ばれる像で、1989年の天安門事件を表現したものです。

天安門事件で殺害された抗議者を記念する銅像の制作者が、この銅像をデンマークに持ち帰るために、香港国家安全維持法の適用免除を受けたいと語っています。

彫刻家のイェンス・ガルシュット氏は、11月12日にこの要求と公開書簡を発表しました。その中で同氏は、「国恥の柱」の移転作業を首尾よく行うためには、自分が香港で作業に立ち会う必要があると述べています。

ガルシュット氏は、中共政権が2020年に施行した包括的な国家安全維持法の適用によって、自身が起訴されないことを再確認したいと述べています。この法律は、国家の転覆や分裂を図るテロリズム行為や、外国勢力との共謀を処罰することを目的とするとしています。

高さ8メートル、重さ2トンの銅製のこの彫刻は、引き裂かれ、ねじ曲げられた数十人の体を表現しており、1989年に天安門広場で民主化を求めていたデモ参加者に対する中共の弾圧を象徴しています。

この作品は20年以上にわたって香港大学に展示されており、デンマーク人の彫刻家が香港の市民団体「香港市民支援愛国民主運動連合会(香港支連会)」に永続的に貸与していたものです。

しかし、今年10月、大学側はこの市民団体に対し、期限までに像を撤去するよう求めていましたが、その期限は1か月前に切れています。

撤去の要請があったのは、同連合会のメンバーの一部が数週間前に国家安全維持法で起訴され、同連合会が既に解散した後のことでした。

NTDは香港大学保安局と入国管理局にコメントを求めましたが、まだ回答はありません。

〈字幕版〉

 
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