「8人の子どもの母親事件」の村を訪ねた女性二人が当局から拘束【禁聞】

江蘇省徐州市の「8人の子供の母親」事件が引き続き注目を集めています。当局はこの件に関して4回の発表を行いましたが、内容が二転三転したことで民衆の怒りに拍車がかかり、社会全体に真実を明らかにすることを望む気運が高まっています。ある元ジャーナリストが真相究明のため雲南省に出向いたほか、大勢のネットユーザーも豊県に向かいましたが、すでに2人が拘束されました。

徐州の「8人の子どもの母親」事件の真相究明を全国民が望み、多くのネットユーザーも真相を明らかにするため豊県に向かいましたが、すでに2人が当局から拘束されたとの話が聞こえています。

「8人の子供の母親」事件に注目し、詳細を伝え続けているグループが13日、ツイッターに「2人の女性のスマートフォンが奪われ、通報後に豊県孫楼派出所から『騒動挑発罪』で15日間拘留されている」と投稿しました。アカウント名「驕傲女孩」さんはさらに、2人の女性ネットユーザーが拘束された件で、ある女性が豊県孫楼派出所の警察官とやり取りしている録音データを公開しました。

徐州市豊県孫楼派出所 警察官
「何をしている人?」
女性
「私は彼女の友人です」
警察官
「友人か。だが彼女には今すでに犯罪の容疑がかかっている。知っているか?」
女性
「でも何の通知も来ていませんよ!」
警察官
「措置が講じられたら通知が行く。今は彼女と連絡は取れない」
女性
「じゃあ、いつになったら彼女と連絡が取れますか?」
警察官
「通知書が届くのを待て」

中国のある個人メディア(林哥観察)も12日、ウェイボーに「徐州市豊県で行方が分からなくなった女性2人が今捕まった。今は拘留通知書を待っている」と投稿しています。

徐州市当局は、ネットユーザー2人を拘束した件を発表していません。

「驕傲女孩」さんはこの日、徐州市当局が2月11日に先に現地を訪れていたボランティアの女性2人を拘束したことを何度もツイートして、「この種の性質は李瑩さんを鎖でつないでいたのと同じくらい下劣だ」と非難しました。そしてこの2人の女性ボランティアを釈放しない場合、「我々の行動を、ここで透明でオープンな形で全国の友人たちに披露する!今日行動しなければ、私たち一人一人が次の被害者になるだろう!」と声を上げています。

自由メディアの黄子茵(こう・しいん)さんは、人身売買は1980年代の時点ですでにはびこっており、すべての中国人が身の危険を感じていたと指摘しています。また中国では、このように勇気ある女性はおそらく体制内部の反逆者である可能性が高いとも指摘しています。

自由メディア 黄子茵さん
「今回の件については誰も彼も非常に憤慨しており、若い女性はものすごく憤っている。彼女らは現地に行って状況を探っていて、その後に現地警察に捕まった。この事件は間違いなく注目を集めるだろう。なぜなら、この2人の女性に何らかの背景があったとしたら、現地警察は大変なことになるからだ」

自由メディアの寧静(ねいせい)さんは、徐州市当局は「8人の子供の母親」事件でいったいどのような役柄を演じているのかと非難しています。

自由メディア 寧静さん
「先日、『女性軍団』による『100人の車チーム』が豊県に行った。この『世界から捨てられた女性』を見舞いたかったのだ。彼女らは「お姉さん!妹たちが来ましたよ!私たちはあなたを見捨ててはいませんよ!」と言葉をかけたかった。実際のところ、これは心が揺さぶられる出来事だ。だが警察は村全体を囲った」

「8人の子供の母親」事件は民間の世論によって後押しされ、当局は民間から「徹底的に調査するという誠意がなく、当初から『デマ』だと言い続けた挙句、ネットユーザーを脅してアカウントを削除し、警察に村を封鎖させ、ネットユーザーを拘束した」と非難されています。

江蘇省のベテランジャーナリスト 黄金秋さん
「この事件を通じて我々は、『地方の人民代表』はどこに行ったのだ?地方の『政治協商会議委員』はどこに行ったのだ?いわゆる『民意の代表』はどこに行ったのだ?と感じている。これら『民意の代表』は実際には民意を代表してなどいなかったことを示している。彼らは単なる権力の傀儡、あるいは彼ら自身が権力の一部なのだ。だから彼らは民衆のために何か一言発言することすらない」

江蘇省のベテランジャーナリスト、黄金秋(こう・きんしゅう)さんはさらに、「現地警察と末端の官僚はなぜ、現地の人身売買を取り締まらないのか。それどころか彼らをかばったり人身売買を容認したり、それに参与したりしているではないか。その背後では間違いなくもっと多くの犯罪行為が行われているはずだ」と非難しています。

「8人の子供の母親」事件が1月28日に明るみに出たのは、あるブロガーが、8人の子供を産んだ女性がボロボロの小屋の中で鎖につながれている動画を撮影し、その後に彼女が歯を抜かれる、舌先を切られるといった虐待を受けていたこと、彼女の住んでいる村ではほかにも類似の事件が発生していることを公表したためです。このことで中国の世論は騒然としました。

豊県と徐州市当局は立て続けに4回の発表を行いましたが、内容が二転三転していたために強く非難されています。最初の発表では人身売買を否定しましたが、最終的には人身売買の事実を認めつつも、「8人の子供の母親」の本名と年齢は公開せず、「この女性は雲南省の小花梅さんだ」とあいまいに答えただけでした。

このことで、民間から真相究明を求める声が上がり、雲南省のメディアの元ジャーナリストの馬薩(ば・さつ)さんと鉄木さんが12日、「小花梅を探しています」という記事を発表しました。彼らが雲南省福貢県亞谷村で行った現地調査では、小花梅さんの妹や隣人などのいずれも、楊さんと小花梅さんが同一人物であるとは特定できなかったことが分かりました。小花梅さんが鎖につながれた女性と同一人物だと認識したのは1人の酔っ払いだけだったとして、馬薩さんは現地には大通りが一つしかないのに、写真に写っている女性を知っている人は誰もいなかったし、これまでに調査に来た人はいないと答えていたと指摘しています。

さらに多くのネットユーザーが徐州市当局に、「8人の子供の母親」の結婚写真を公開し、写真の女性が12歳の時に行方不明になった四川省の李瑩さんと同一人物かどうか、みんなが見て判断するようにと求めています。しかし、徐州市当局はこの事件から目を背け続けています。

 
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