上海の法輪功学習者 拷問で半身不随に

上海の拘置所に収監されている良心の囚人が、拷問により半身不随になりました。彼とその婚約者が法輪功への信念を放棄することを拒否したため、当局は2人を逮捕しました。米国にいる彼らの家族や友人は、釈放を訴えています。

中国の法輪功学習者、何氷剛(か・ひょうごう)さんが、上海の拘置所で半身不随になりました。何さんの弁護士によると、家族や弁護士の面会も許されず、3月10日にようやく電話で話すことが許されたといいます。当局は4か月以上にわたり、何さんと外部との接触を禁じていました。

ニューヨーク在住の鄧嶸(とう・えい)さんは、何さんの家族ぐるみの友人です。鄧さんは、何さんは危篤状態だといいます。

何氷剛さんの友人 鄧嶸さん
「何さんは四肢が麻痺状態にある。寝たきりで、歩くこともできない。頸椎に問題があるため、頭痛、めまい、尿失禁もあり、夜も眠れない」

婚約者である張軼博(ちょう・いつはく)さんも同じ拘置所に拘束されています。当局は昨年10月、2人を連行しました。弁護士は、3月10日まで2人と電話で話すことも許されませんでした。

何氷剛さんの友人 鄧嶸さん
「家に宅配業者が来たときのことだ。何さんがドアを開けた途端、警察が押し入り、パソコンと携帯電話を押収し、彼を連行した」

何さんの婚約者の張軼博さんも、法輪功学習者です。ほぼ同時期に、当局は張さんを自宅から連行しました。

何氷剛さんの友人 鄧嶸さん
「警察は張さんの家のドアをこじ開けて入り、タブレット、携帯電話など、全ての電子機器を押収し、張さんを連行した」

法輪功は、中国の伝統に基づく精神修養法で、瞑想法を特徴とし、「真、善、忍」を理念としています。

1999年、中国共産党は法輪功に反対するキャンペーンを開始しました。それ以来、中国では何百万人もの学習者が拘束され、拷問され、殺害される人さえいます。

この20年間、何さんは信念を放棄するのを拒否したため、大学から強制的に休学させられました。その後、何さんは何度も拘束されました。

拘束中に身体的な拷問を受けたのは、今回が初めてではありません。2010年に、同拘置所で拷問を受けた際に半身不随になりました。

婚約者の張さんは2009年に、信念を放棄することを拒否したため、1年半の判決を言い渡されました。張さんは当時、外資系企業でマネージャーをしていました。

張さんの兄は中共当局に、張さんと婚約者の何さんを釈放するよう訴えました。

張軼博さんの兄 張軼淵さん
「妹は社会に害を与えていないし、法律をきちんと守っている。瞑想法をしているというだけで、投獄され、判決まで受けた。そして13年後の今、妹は再び逮捕された」

張さんの兄によると、当局は張さんと何さんを「国家安全保障を脅かした」として非難しています。張さんの兄は、当局のやっていることは違法であると指摘しています。

〈字幕版〉

 
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