ソロモン諸島 中共軍基地建設を否定 豪州は歓迎

米政府が太平洋地域における中共政権の影響力を阻止しようとする中、他の2か国も関与を強めています。7月13日、ソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相は豪首相に対し、中共によるソロモン諸島への軍事基地建設は許可しないと述べました。

豪州は、ソロモン諸島が自国への中共軍基地建設を認めないという決定を下したことを歓迎しました。

今年4月にソロモン諸島が中共と安全保障協定を締結し、欧米諸国に衝撃を与えました。この協定によって中共が豪州沿岸からわずか1,000マイル(1,600キロ)しか離れていないところに軍隊を設置することを危惧する声も多く聞かれました。

しかし、ソロモン諸島の首相はそのようなことは起こらないと述べ、豪州を安心させました。

豪州 アンソニー・アルバニージー首相
「彼(ソガバレ首相)の発言をそのまま受け止めてあげる必要があると思う。もちろん、我々は、メディアで取り沙汰されたような提案に対して、ソガバレ首相が否定する前に、豪州の立場を明確にしておきました。だから私は、豪州の近くに中国(共)軍基地の建設を否定した彼の発言を歓迎する」

一方、元米海軍情報長官はこの発言に対して、異なる見解を示しました。

元米太平洋艦隊の海軍情報長官 ジェームズ・ファネル氏
「人々の懸念は十分にありえることだと思う。今後10年以内に、中国(共)軍の艦船がソロモン諸島に入港するだけでなく、すでに現地入りしている中共人民解放軍の軍機を目にすることになるだろう。そして、中国のY-20輸送機がガタルカナル島のヘンダーソン飛行場(現ホニアラ国際空港)を飛行し、補給活動を行い、物資を送り込んでいる。これからますます増えていくし、そうならないと確信しているというのは、理解し難い話だ」

ソロモン諸島との協定に加え、中共はさらに太平洋地域の10か国と同様の協定を推し進めようとしました。これらの協議は失敗に終わりましたが、中共政権は今後新たな試みを行うことを示唆しています。しかし、時間が経てば経つほど、中共にとっては難しくなっていくかもしれません。

中共に続いて、米国と豪州もこの地域との関わりを強めています。

豪州のアルバニージー政権は、太平洋地域への支援に総額3億5,000万ドル(約480億円)以上の追加支出を約束しました。

一方、米国のハリス副大統領は、この地域に対する資金援助を、今後10年間で3倍の6,000万ドル(約83億円)に引き上げる計画を発表しました。米国はまた、キリバスおよびトンガに新しい大使館を開設することを計画しています。また、米政府の途上国支援プログラムである「平和部隊」を同地域に再派遣することも計画しています。

ハリス氏は、太平洋諸島フォーラム(PIF)の指導者たちとのオンライン会議で、この発表を行いました。ハリス氏の発言の翌日、中共は太平洋地域の指導者たちと別の政治対話を行いました。

〈字幕版〉

 
関連記事