先祖の墓参りをする清明節 中国で葬儀用品の販売禁止

清明節が近づき、多くの人々が墓参りや先祖供養を行う時期です。中国のいくつかの地域では、紙銭などの葬儀用品の製造や販売を禁じる通達が出されています。長年の祭祀の慣習が損なわれると感じる人がいたり、当局が感染症による死者の実数を隠そうとしているのではないかと疑う声が上がったりしています。

3月25日、南通市の民政局と市場の監督管理局が、冥銭などの「封建的迷信」とされる葬儀用品の製造・販売を禁じる通告を発表しました。違反者には没収の上、製造・販売額の1倍から3倍の罰金が科されます。治安管理に違反した場合は罰則が適用され、犯罪にあたる場合は刑事責任が問われるとのことです。

この措置に批判が集まっています。南通南方市場で葬儀の副葬品である冥銭などを販売する任さんは「この禁止令で多くの人が職を失うことになる」と懸念しています。彼は「清明節に先祖を祭ることは中国人にとって非常に大切な行事だ。一律の禁止は理解しがたい」と述べています。

インターネット上では、「文化や伝統を守ると言いつつ、実際にはあれこれ禁じている。将来、次の世代が本来の伝統を理解できなくなる」という意見や、「封建的迷信なんかではない。『礼記』には祭祀の文化が詳細に記されている。それが迷信とされるのはおかしい」という声が聞かれます。

報道によれば、南通市だけでなく、遼寧省凌源市、黒竜江省嫩江市、天津市和平区も似たような告知を行ったといいます。嫩江市当局は、法の執行を妨げる行為には厳しく対応すると警告しています。

江蘇省の住民 朱さん
「これは何千年も続く伝統です。(中共は)人々が想像できないことをやっています。当局は冥銭を燃やすことが大気汚染を引き起こすと言っていますが、、それは人を騙す話です。今はあらゆる面で制限され、それが当たり前になっています」

南通市の住民 舒さん
「私も理解に苦しみます。伝統的なものを大切にしない、あるいは変えようとするのは、ちょっとおかしい」

一部の住民は、当局の措置が新型コロナウイルス(中共ウイルス)による死者の実数を隠すためのものだと考えています。

湖南省の住民 張さん
「清明節には冥銭をたくさん焼きます。この政策は死者数を隠すために出されたのです」

江蘇省の住民 董さん
「これは一律に決められた措置で、実際の住民のニーズを考慮していません。感染症による死亡の真実を隠ぺいしている可能性は否定できません。この地域の政治は公にされておらず、隠せるものは隠され、安定が最優先されています。一般市民の個人的な不満や生死は、重要視されていないのです」

 
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