小児の消化不良―親の愛情で病気が防げる?

小児の病気は医者泣かせだ。というのも、小児は自分で症状を訴えられないから。今では血液検査や尿検査、レントゲンなどがあるからまだましだが、昔はどうしていたのだろう?古代の医者は小児の病に対し、なすすべがなかったのだろうか?

実は漢方には奥の手がある。それは視診である。つまり、患者の様子を観察するのだ。有名な古書『鍼灸大成』の『保嬰神術』にも「小児の病気は脈をとるのではなく、様子を観察すること」とある。実際、顔の五箇所で五臓の状態が分かるという。すなわち、

額:心

鼻:脾

右の頬(ほほ):肺

左の頬(ほほ):肝

あご(承浆穴:しょうしょうけつ):腎

ただし、七情のない小児の病は単純だ。ほとんどが肝経か脾経の問題である。肝経ならば風邪やショックを受けやすく、脾経だと消化不良を招きやすい。

とはいえ、幼い小児に対して鍼灸をするのは難しい。そこでお勧めなのが軽くさすること、マッサージだ。

例えば、湯上りの小児のお腹をさすること。おへそを中心にして、時計回りに円を描くのだ。お腹には、任脈や胃腸のツボ、腎経などツボが豊富だからである。

もう一つは、「脾土」を補う方法。漢方では、親指の指紋は脾土を指す。だから、この親指の指紋を時計回りに300回から500回押す。やはり時計回りだ。

これらは簡単で、しかも全くお金がかからない。ただ親の愛情を注ぎさえすれば良い。愛情を持ってさすってあげること、これが子供の健康に役立つのだ。

 

【漢方の世界】小児の消化不良―親の愛情で病気が防げる?

 

 
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