バスが人間臭いってどういうこと?住みやすい(はずの)フランスの街リヨン

白い手袋をはめて、右ヨシ左ヨシと安全確認をするバスの運転手さん。型にはまらない感じのいいアナウンスを聞くこともありますね。そんな日本のバスとは一線を画した、フランスのリヨンで走っているバスならではの人間臭い様子とは、どういうものでしょう。今回はそのことをちょっとお話ししてみましょう。

乗ってびっくり、バスの車内で味わえる人間らしさとは?

まず乗り込む時にはあいさつを。運転手さんにもよりますが、きちんと目を合わせてボンジュールと言うと、気持ち良く笑顔が返ってくることが多いリヨンのバス。車内には進行方向とは反対向きの座席や四人がけのボックス席もあります。必然的に人とのふれあいが多いのです。

気づくと音楽が流れています。運転手さんのお好みのノリの良い曲やラジオ番組が聞こえてきます。運転手さんの裁量に任されているんですね。安全にバスを運転するのが仕事なので、音楽が流れていようがいまいが同じといえば同じです。音楽なしのバスに乗るとさびしい気がするくらいです。

音楽は良いとしても、なんだか車内が暑いようです。運転手さんによって窓が開いていたり、エアコンがきいていたりするのです。暑い昼間にエアコンがきいたバスに当たればラッキーですが、その逆もまたあり。夏にエアコンなしの混んだバスに閉じ込められれば、文字通り人間臭さが味わえますが…。

と言っても人間臭いのは嫌なことばかりでもありません。「あの」バスに乗らないと…!そういう時ってありませんか?では運転手さんに「乗ります!!」と知らせてください。手を挙げて走ってくる乗客を待っていてくれるのは日常の光景です。息を切らして(切らしていなくても)メルシーと言って乗り込んでくる人を見ると、こちらも気持ち良くなるものです。人間臭いのもいいことですね。

(撮影:kurosawa)

乗客もさまざま、犬を連れた人や郵便物カートを引いた配達人も乗ってきます。年配の人に席を譲る今時の若者、荒い運転でバランスを崩した女性を支えようとする男性、ベビーカーにつけた風船が落ちたのを拾うおじさんなど、乗客同士の人間模様にも飽きません。

バスの中でフランス人らしさが見える?

リヨンのバスに乗れば、温かい人間らしさに触れることができます。どんなバスが来るかはお楽しみ。まあ、臭い思いをするかもしれませんが、それもまた楽しいですよ。

 
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