【動画ニュース】お金が要らないスーパーマーケット 食べ物の大切さを伝えたい=カナダ

カナダにユニークなスーパーマーケットがあるのを御存じでしょうか。食べ物を大切にする理念を広めたいと考えるシェフが開いたこの店に並べられているのは、本来なら廃棄されるはずだった食材です。価格は消費者が自分で決め、経済的に困窮している人には無料で提供されています。

野菜や果物は種類も多くどれもおいしそうです。有機栽培された野菜も多く見られますが、もともとこれらの野菜、果物、パン、お菓子などは、大型スーパーから廃棄されそうになっていたものです。ここでは消費者が、品物を手に取り自由に値段を決めます。お金がなくても大丈夫です。

店主のジャガー・ゴードンさん

「お客さんが自由に値段を決める無料スーパーを開いた理由は、無駄に捨てられてしまうかもしれなかった食べ物を、必要とする人に提供できるからだ」

ゴードンさんは食べ物を必要とする人を助けるだけでなく、人々に健やかな食べ物は健やかな体を意味していることを伝えたいと考えています。ですからこの店の主なスポンサーはオーガニック系高級食材の販売で知られるホールフーズ・マーケットや現地の農場です。つまりほとんどの野菜や果物が有機栽培されたものです。

店主のジャガー・ゴードンさん

「ここにある品物はすべて一級品だ。何の問題もなく、少ししなびているだけ。これらはとても新鮮なので、食べるにはぴったりなタイミングだよ」

カナダで毎年廃棄される食品の総額は310億カナダドル、日本円で約2兆6228億円に上ります。ゴードンさんの言うように、少し乾いていたり、しなびてしまった野菜を人々が敬遠することもあって、見た目の悪い野菜がゴミとして廃棄されています。

トロントのウエストエンドにあるこの店は、すべてボランティアによって運営されています。ゴードンさんは当初、6ヶ月だけ営業する予定でしたが、のちにこうした経営モデルでも継続的に営業できることが分かりました。

店主のジャガー・ゴードンさん

「この方法は持続可能だ。つまり、別の店で買い物をする余裕のある人たちも、ここにきて買い物ができる。彼らはこのプロジェクトのサポーターだ。お金を払う余裕がなく、健康的な食品を手に入れられない人たちも、ここに来れば食べ物を選んで好きな値段をつけることができる。寄付してもしなくてもいいし、お金を払わなくてもいい。私たちは笑顔を受け取ることができる」

ゴードンさんの目標は、こうした理念を掲げた店を、カナダ全土、ひいては全世界に広めることです。

 

 
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