ファイブ・アイズが武漢研究所の研究員を調査 豪政府「透明性のある調査を」

英米を中心とした英語圏の情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」がこのほど、武漢ウイルス研究所の研究者2人について調査をはじめました。オーストラリアでは政府関係者が相次ぎ、中国に対し透明性のある調査を呼びかけていますが、中共は経済をもって脅迫しています。

豪州スカイ・ニュース
「カナダ、ニュージーランド、英国、米国などの「ファイブ・アイズ」情報機関が、科学者の周鵬と石正麗が武漢ウイルス研究所で行った研究について調査している」

「ファイブ・アイズ」は、オーストラリア、英国、カナダ、ニュージーランド、米国によって構成される世界を主導する情報共有ネットワークです。「ファイブ・アイズ」はこのほど、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)でコウモリの研究を行っていた中国人研究員、周鵬氏と石正麗氏について調査を進めています。

うち、武漢ウイルス研究所の主任、石正麗氏は2006年、訪問学者としてオーストラリア連邦科学産業研究機構の管轄下のオーストラリア疾病予防センターの実験室で3か月間「SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスとコウモリの関係」について研究活動を行いました。同僚の周鵬氏は2011年から2014年まで、同じ実験室でコウモリの研究を行い、博士号を取得しました。

オーストラリアの貿易、観光、投資大臣のサイモン・バーミンガム氏はインタビューを受けた際、政府は国家安全やその情報に関わる問題についてはコメントしないとしながらも、透明性のある調査の重要性を強調しました。

豪州貿易、観光、投資大臣 サイモン・バーミンガム氏
「彼ら(中共)には透明性のある調査を望むだけだ。そして世界全体が経験を汲み取り、もっと良い条件を備えてこの種の流行の再発を防いでほしい」

オーストラリア政府は最近、何度も武漢の感染源に関する独立調査を呼びかけました。これに対し、中国駐オーストラリア大使は、独立調査を続けるなら、中国の消費者はオーストラリア製品をボイコットすると脅しました。

中共当局の脅しに屈せず、オーストラリア政府は強硬な態度を貫いています。マリス・ペイン外相は、オーストラリアが独立調査を求めるのは情理にかなっているとし、透明で誠実な評価は非常に重要であると述べました。

マリス・ペイン外相
「これらの問題の中で、前進の重要なポイントは透明度で、特に中国の透明度だ。我々はある程度の細部も知る必要がある。つまり、独立調査によって、ウイルスの発生源とその処理方法について知ることができる」

米上院議員トッド・ヤング氏もTwitterでオーストラリアに声援を送り、中共が経済をもって中共ウイルスの調査を求めるオーストラリ政府を脅迫していると非難しました。さらには「中共が何も隠していないなら、なぜ脅迫する必要があるのか」と疑問を投げかけています。

4月24日、スティーブ・バノン氏がライブ放送の中で、武漢ウイルス研究所の研究員が家族を連れてフランスの米国大使館に亡命したと伝えました。その後、SNS上ではこの研究員は石正麗氏で、極秘書類を持って中国から逃げ出したとの情報が広く出回りました。しかし、バノン氏は放送の中で、この研究員について女性とは言っておらず、男性を指す「he」(ヒー)を使っていました。

一方、中国の官制メディア「環球時報」が5月2日、石正麗氏がグループチャットに投稿したとするスクリーンショットを公開し、海外で広く伝わっている「亡命説」を否定しました。投稿には「私と家族は元気に過ごしている。どれだけ多くの困難に直面しても、デマの中で言われている『亡叛』はあり得ない。我々は間違ったことは何もやっていない。科学に対する確固たる自信を持っている」と書かれています。

 
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