中共がロケット回収成功を誇示 専門家「スペースXには10年以上の差」

中国共産党(中共)当局は、長征10号乙運搬ロケットについて、軌道投入級ロケットの回収に初めて成功し、再使用型ロケットの開発にさらに一歩近づいたと宣伝しています。しかし専門家は、この分野では米国がすでに10年以上にわたって優位を保っており、中共との技術差はなお大きいと指摘しています。

中共の官製メディアは7月10日、軌道投入ロケットのブースター回収に初めて成功したと報じました。運搬ロケットをネット方式で回収したのは世界初だとしています。報道によると、長征10号乙運搬ロケットは、ブースターが上段ロケットから分離して約6分後に垂直降下し、海上に設置された大型ネットで受け止められ、回収されたといいます。

専門家は、今回の回収により、長征10号乙の第1段ロケットに必要な「エンジン逆噴射、空力減速、精密制御、海上での回収」という一連の技術が検証されたとみています。ただ、この技術的枠組みは、スペースXが10年前にすでに実現し、商業運用にまで発展させています。中国側はようやく初期段階に入ったところで、今回初めて軌道投入級ロケットの第1段回収を完了したにすぎません。

台湾「国防安全研究院」の研究員 沈明室氏
「もちろん、この回収方式はブースターを再製造する手間を減らし、無駄を避けるうえで有効です。しかし、この回収システムとイーロン・マスク氏のスペースXの回収方式を比べると、差があるように見えます。一方は落下地点を計算し、そこにネットを張って回収する方式です。もう一方は、推進システムによって元の発射台に戻ることができます。回収能力という点では、どちらも一定の能力を備えており、姿勢を調整するための推進ロケットもありますが、米国のほうがより精密で、技術力でも上回っています」

「ネット捕獲」による海上回収とは、着陸脚を装着せず、ロケットのフックを海上のネットに引っかける方式です。着陸脚の重量を省ける利点があります。現時点で中共の宇宙開発は、回収技術の第一段階を終えたにとどまります。今後、安定した運用として定着できるかどうかは、なお検証が必要です。

軍事チャンネル「マーク時空」司会者 馬克氏
「これは根本的な問題だと思います。中共政権はいわゆる挙国体制であり、基本的に国有企業が主導しています。一方、マスク氏のスペースXは商業企業であり、最大の商業利益を追求しています。米国と中共の差は、体制の違いによって生じたものだと思います。そのため技術革新の面で、中共は常に後れを取っています」

スペースXは、早くも2015年12月にロケット「ファルコン9」のブースター回収に初めて成功し、2016年4月には海上無人ボートでの初回収を実現しました。2026年までに、スペースXは数百回に及ぶ定常的な回収運用を極めて高い成功率で実施しており、単一ロケットを20回以上再使用する記録も打ち立てています。

馬克氏
「マスク氏のスペースXによるファルコン9の回収が2015年に成功した当初、人々はまだ様子見の姿勢でした。しかし、その後、回収技術が成熟し、回収による経済効果が非常に大きいことが明らかになるにつれ、中国側も追随せざるを得なくなりました」

ロケット回収の最終的な目的は、大型の衛星や貨物を打ち上げることにあります。現段階で回収可能なロケットの機体規模と推力を比べると、両者はまったく同じ水準にはありません。ロケットを受け止めることは前半部分にすぎず、どれだけ速く、どれだけ低コストで「もう一度飛ばせるか」が、商業面での差を広げる核心となります。

馬克氏
「コストは中国側にとって大きな制約ではないかもしれません。マスク氏が進めているのは商業開発であり、非常に重視しているのはコストの問題です。システムが簡単であればあるほど、彼にとっては適しています。しかし中共のような国家体制では、コストをあまり気にしません。そのためシステムは比較的複雑になりますが、成功さえすれば、中共にとっては大々的に宣伝できる材料になります」

沈明室氏
「スターリンクの技術について見ると、スペースXはすでに数万基の低軌道衛星を打ち上げています。一方、中共は現在、3千〜4千基にとどまっており、その差は非常に大きいです。しかもマスク氏の会社は、一度に複数の低軌道衛星を配備できます。使用期限が終われば衛星を降下させ、さらに補充することもできます。したがって今後、低軌道衛星網の大部分をスペースXの衛星が占めることは、ほぼ確実です」

中共の「ネット方式回収」は、スペースXが2016年前後に示したファルコン9の初期回収レベルに追いついたとはいえます。しかし、すでに回収を定常的な商業運用として確立し、スターシップの完全再使用化を強力に進めているスペースXと比べれば、中共の宇宙開発は生産規模、回転効率、打ち上げコストの面で、少なくとも10年以上の差があります。

 

 
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