米政府 国際犯罪や偽装結婚を摘発

今週、米国政府の複数機関が連携し、国際犯罪や結婚詐欺、中共による違法な迂回輸出への取り締まりを強化しました。

米国司法省は、過去10年間に約千件の偽装結婚を仲介した疑いで11人を起訴したと発表しました。複数の主犯格の人物は、中国出身で米国国籍を取得した帰化市民でした。一方、トランプ米国大統領は、国際犯罪に対するサイバー手段を活用した取り締まりを認める大統領覚書に署名しました。ホワイトハウスはさらに25ページの報告書を公表し、中共を中心に40か国以上に広がる違法な迂回輸出の「影のネットワーク」を明らかにしました。米国は今後、AIを活用してこうした行為への取り締まりを進めるとしています。

技術の急速な進歩は人々の暮らしを便利にする一方、犯罪者にも新たな手口を与えています。

ホワイトハウスの発表によりますと、国外を拠点とする国際犯罪組織は、インターネットを利用してランサムウェア攻撃や金融詐欺などさまざまな犯罪を行い、米国国民を脅かしています。

昨年、こうした国外からの攻撃による米国人の被害額は、208億ドルを超えました。米国の成人の73%が何らかのネット詐欺やサイバー攻撃の被害に遭ったことがあり、98%が詐欺を脅威と認識しています。さらに3分の2が、その脅威を深刻だと考えています。

今月12日、トランプ氏は「国家安全保障大統領覚書」に署名し、法執行機関に対し、国外の犯罪組織などへのサイバー手段を使った取り締まりを認めました。

覚書は、国土安全保障タスクフォースの国家調整センターに対し、具体的なサイバー対策を策定し、実施するよう指示しました。米国憲法や国内法、国際法を厳格に順守して行うとしています。

また、自主的に計画へ参加する民間企業や団体に対し、情報収集や具体的な対策の提案などへの協力も促しています。

ホワイトハウスは、新政策の重点は米国人を狙う国際的なサイバー犯罪の取り締まりにあると説明しました。米国法執行機関の対応力を高めるとともに、民間部門が持つ技術や情報を活用し、犯罪活動を阻止する狙いがあります。

米国司法省が摘発した結婚詐欺事件について、ブランチ司法長官は「米国史上最大規模の詐欺事件の一つ」と表現しました。

米司法長官 ブランチ氏
「これは一時的な犯行ではありません。数年にわたり、数百万ドルが動いた犯罪組織であり、合法的に米国の在留資格を取得できない人々を違法に支援していました。起訴された男女はいずれも帰化した米国市民で、全員が中国出身です」

ブランチ氏によりますと、詐欺組織は偽装結婚に応じる人物を確保すると、相続権の放棄や結婚後は別々に暮らすことなどを盛り込んだ詳細な婚前契約を結ばせていました。また、合法的な結婚に見せかけるため、写真を撮影し、共同名義の銀行口座や携帯電話契約を作らせ、共同申告のための税務書類も準備していました。一部は中国で偽装結婚の手続きを行っていたといいます。

連邦裁判所に提出された起訴状によりますと、容疑者らはグリーンカード取得を希望する外国人1人につき10万ドルを請求し、偽装結婚に応じた米国市民には3万ドルを支払いました。

8月13日、ホワイトハウスは25ページの報告書を公表し、中共を中心に世界40か国以上に広がる違法な迂回輸出のネットワークを明らかにしました。米国はAIを活用し、こうした行為への取り締まりを強化する方針です。

報告書によりますと、中共を含む高関税の対象となっている国々は、米国が国ごとに異なる関税率を設定していることを利用しています。まず商品を関税率の低い国や地域に送り、そこでラベルの貼り替えや再包装、簡単な加工などを行って原産地を隠した上で、米国市場へ輸出します。

報告書は、中共の違法な迂回輸出に関与する国・地域が40以上に上り、大きく3つに分類できるとしています。第1のグループは、カナダ、EU、インド、イスラエル、日本、メキシコ、韓国、台湾で、多様な産業基盤を持ち、対米輸出の拠点となっています。第2のグループは、ブラジル、インドネシア、マレーシア、タイ、トルコ、ベトナムで、中国経済と高度に一体化しています。第3のグループは、ミャンマーやカンボジアなど、人件費が比較的低い国・地域です。

報告書によりますと、5件の独立した調査では、中共による違法な迂回輸出の年間規模は400億〜3030億ドルに上ると推計されています。

違法な迂回輸出を取り締まるため、ホワイトハウスは米国税関・国境警備局と協力し、AIを活用した「国境検知システム」の開発を進めています。

貨物データや過去の輸送ルートなどを分析し、第三国を経由して原産地を偽装した商品を特定した上で、差し止めや関税徴収、処罰、輸入禁止などの措置を講じるとしています。

 
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